原作未読なので小説と映画の違いは分からないが、登場人物たちにもストーリーにも共感出来なかった。
特殊能力を持った若者たちの戦いや葛藤を描いた作品というと、ハリウッド映画の「Ｘ－ＭＥＮ」シリーズや、リブート作品が間もなく公開される「ファンタスティック・フォー」があるが、これらの作品の内容やキャラクター達と比べると本作は地味だ。
そして地味な割には登場人物達に背負わされた「十字架」は余りにも重い。
この「十字架」の部分が本作のテーマに直結しているのだが、深みというか、現実味が希薄で感情移入が出来ない。
この感情移入出来ない最大の理由は、基本設定である彼らの誕生やその存在理由が、「えっ、えー」とあいた口が塞がらないようなものだからだ。
本作は、そういうエモーショナルな部分よりアクションシーンに比重を置いているのかもしれないが、ハリウッド映画と比べると見劣りする。
この映画を一言で表すと「能力の無駄使い」。
岡田将生さん、染谷将太さん、成海璃子さん、松岡茉優さん、白石隼也さん、黒島結菜さん等、日本映画界の若手ホープ俳優が多数出演しているにも拘らず、活劇に重点を置いて、彼らの演技の素晴らしさを充分活かしきれてなくて勿体無いと思う。
