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ボヤージュ・オブ・タイムのvivoのレビュー・感想・評価

ボヤージュ・オブ・タイム(2016年製作の映画)
4.0
日常を離れ、スケールの大きな物語の中で、生命や時間の意味について思いを巡らせるひと時をくれる映像詩。実写とCG、ノンフィクションとフィクションを織り交ぜた構成だが、実写映像の圧倒的美しさが、この映像詩に説得力を与えている。等身大の世界にはもちろん、マクロにもミクロにも存在する様々な美に触れた時に感じざるを得ない「ある力」と「ある理由」の存在、その正体としてやっと生み出された「神の意志」という概念。しかし、その概念の発明によっても無知の苦しみからは全く解放されない。なぜ生命は生まれたのか、宇宙はどこへ向かっているのか。そんな謎の答えを人間が見つけることができないのは、おそらく人間が「理由」という概念に縛られているからなのだろう。理由などないということがたとえ真理だとしても、それを真に理解できないのが人間に生まれた苦しみなのだ。そんな苦しみを直視し続けるマリック監督がすごくイイ。
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