柏エシディシ

セッションの柏エシディシのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
5.0
布石というよりは丹念に置いてきた「前ぶり」が、一気に集約し、加速していくラスト10分は映画館での体験の中でも、最高のレベル。

編集の切れ味、役者の演技、映像と音楽の融合。
映画という芸術作品の魅力を、そこに求めている観客にとっては、この作品は最高に「面白い映画」であると思います。

公開当時、町山智浩師匠、菊地成孔氏の論戦が話題になりましたが、どちらのお仕事にも、考え方にも影響を受けている自分には複雑な気分でしたが、
映画作品としての評価は、町山師匠よりですかね。
音楽としてのジャズもそれなりに好きな身としては、
「こんなモンはジャズじゃねぇ」って気分もありますがww

個人的には、「成功する為にはどんな犠牲を払っても構わない。その為には、愛する人を、愛してくれる人を傷付ける事も厭わない」という、アメリカ的なマッチョズムというか、オブセッションには、共感したくないのですが、
映画的にあそこまで過剰に突き抜けてくれるなら、エンターテイメントとしては最高です。
そして、「最高」の瞬間を刻んでスパッと終わるからこそ、「映画」は最高。

でも、実際の「人生」はそこで終わってくれないんですよねぇ、、、ww
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