ほ

セッションのほのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

カタルシスのために全てがある映画。
フレッチャーの指導や事故で完奏できなかったドラムの描写が、唯一最後だけ完遂する。そこが気持ちいい。

胸が痛くなるようシーン(パワハラ)が多いけどニーマンが自己中心的というか調子乗りであまり可哀想に思えなかったのが良かった。
また、家族との食事のシーンでニーマンが「こうなった」理由がなんとなく理解できるのが良かった。才能特化家族。端的な描写で語らずとも語らせるのがうまい。

ニーマンとフレッチャーの関係は(第三者から見て)諸手を挙げられるものではないけど、当人たちだけで完結している、そしてあのラストを見たら、お互いにお互いしかない、ぴたりと当てまった【理想的】な関係だな、と思った。

あと、テーマが音楽なのも好みだった。
自分は美術学校で学んでいたけど芸術の道は確実に【才能】が存在している。努力では勝てないものは確実に存在している。音楽の道もそこは同じだと思うので、フレッチャーの指導はやりすぎだろ😅と思いつつもニーマンの心情に共感した。
フレッチャーの復讐で大失態させられたニーマンへの父親のハグは「God Job(上出来だ)=フレッチャーの嫌いな言葉」、優しいおしまい。それを受けてフレッチャーの元へ戻ったからこそあのエンドを勝ち取った。

彼女への対応とか、捨て方最悪すぎる😅あんだけの事しといてワンチャン考えて(だよね?)電話するな😅と思ったけど、恋人も家族も環境も自分のすべてを燃やし尽くして辿り着く道が芸術には存在するので、そこを誇張した映画かもなー、とも思った。本来それって孤独なんだけど、本作ではニーマンとフレッチャーがたどり着いたから彼らはベスト•パートナーでありメチャクチャハッピーエンドな映画だね。恋愛が無い恋愛映画だと思う、ある意味。
ほ