くるぶし

セッションのくるぶしのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.0
フルメタルジャケット~音楽学校編~
6年ぶりの鑑賞。相変わらずエグかった。
映画史上No.1の脳筋映画。80分をフリに使ってラスト10分に全てを昇華させる。
デイミアンチャゼル監督はたぶんスマブラ でファルコンパンチしか使わないタイプ。

デイミアンチャゼル自身もジャズドラマーを目指していたとか。恐らくそのときに天才になるには狂気が必要だと感じたのだろう。
フェレッチャー教授の鬼シゴきは現代ではほぼタブーとされているTheパワハラである(死人も出てる)。凡人には到底理解できない狂人でありそれであることがまた彼を呪っていた。
この点に関して胸糞を感じる人も少なくは無いだろう。

この手の話で良くあるのは虐げられていた主人公が最後に悪役を懲らしめる所謂スカッとジャパン的な構造だ。
しかしかく言う主人公も狂人である。彼の言動からわかる通り彼はハナから畜生の狂人である。
主人公だし、イジメられてるからうっかり感情移入しかけてしまうが話が通じる相手ではないと途中で気づく。
そんな狂人同士はクライマックスでの魂のぶつかり合いを経て共犯者となる。呼吸を忘れるくらい高揚する最高のバトルシーンだった。

この映画を最大限楽しむ観る側の最適な立ち位置は、「ジャズフェスティバルの観客として来てるけど指揮者とドラマーの悶着を色々知っちゃってる人」になりきるのがオススメ。
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