陰謀論者X

セッションの陰謀論者Xのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
5.0
Netflixでようやく鑑賞。
名門音大のフレッチャー教授に才能を見出された新入生のアンドリュー。天才を生み出す為に完璧以上を追い求めるフレッチャーの鬼シゴキはまるで新兵を極限までシゴキまくる「フルメタルジャケット」の訓練教官・ハートマン軍曹だ。フレッチャーに口汚く罵られ極限まで追い込まれていく練習シーンは息も出来ない位、身体が硬直し緊張する。

このアンドリュー、「偉大な音楽家になりたい」との野望を実現すべく付き合い始めたばかりの彼女との関係を断ち切り、交通事故に遭っても主奏者の座を奪われない為に血塗れで演奏会場に走るようなガッツ(という名の狂気)に満ちている。

お互い音大を離れて和解したかと思いきや「そりゃないぜセニョール‼︎」な最低最悪の嫌がらせをフレッチャーが仕掛けてくるし、そのフレッチャーを叩きのめすべく席に戻り、彼の指揮を無視して勝手に演奏を始め、ソロでドラムを叩きまくるアンドリューの狂気の演奏で完全に彼を認めるフレッチャーの超ツンデレ気質。

ここまで追い詰めないと天才は生まれないのか? フレッチャーの鬼シゴキに大いなる疑問を抱きつつ、全編物凄い緊張感に浸れる一作でした。マイルズ・テラーのドラムも、J・K・シモンズの鬼指導演技も素晴らしいの一言。何かを成し遂げるには、人間一線を超えないとダメって事かもしれない。
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