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アバター:ウェイ・オブ・ウォーターのmatchypotterのレビュー・感想・評価

4.2
今年の映画館納めになるのかな、最後はコレ。
他にも『かがみの孤城』『ブラックナイトパレード』『ホイットニーヒューストン』あたりも観たかったが、来年、かなぁ。

ものすごい前から予告編がガンガンかかってた。

聞くところによると映画史上、最もお金がかかった映画らしい。製作費3.5億〜4億ドルとも言われてる。日本円で約500億円ぐらい、もう、とんでもない世界。

だから、この映画は初めから世界興行の歴史を塗り替える興行収入を叩き出すことを課されていて、そうでもないと儲からなくて、続編もないって言われてる。

3時間12分。観てみたらそんなに長くは感じなかった。
とにかく、とにかく、映像美。前回は山や森、今回は海。
映像技術的には流動的で、水面下を描くので素人で前回に比べても途方もない技術力の飛躍を感じた。

前作は3D映画のパイオニアみたいな存在で、あの当時も画面の“奥行き”に驚いた。
しかし、そこから飛躍って、そんなに飛躍できる余地ってあるのか、と思ってたが、、、あった、飛躍。

前回は“奥行き”と言うなら、今回は“飛び出し”にもテコ入れしてる。絶対そうだと思う。

前面に出てくる対象からさらに深みを増す映像が“奥行き”とすると、今回はその“奥行き”ありきで前面に出てくる対象がさらに出てくる“飛び出し”。

冒頭から本当に観てるこっちの顔に当たる!危ない!みたいな“あるある”映像がマジであって、正直に驚いた。スゴいな、ジェームスキャメロン。まだまだ映画館のスクリーンと映像技術に先があることを知らしめた、そりゃ金かかる。

しかし、強いて言うなら3時間12分、とこの映像美、、、映画館泣かせなんだと思う。
この尺では映画館1館あたりの1日の上映回数がどうしても少なめ。

そして、この映画に限って言えば観たい人は「なるべく良いスペックで観たい」となる。IMAX、3D、Dolby、轟音爆音、、、。

1スクリーンあたりの回転が悪いからスクリーン数を増やしまくってるみたいだが、この良いスペックで観たい願望を叶えられるスクリーンはそのうち何割、か。

と、なかなか映画館とお客さん泣かせの映画であることは間違いない。

私もIMAX3Dが良かったが案の定、人が殺到してて断念し、何とかハイフレームレート3Dで観れて良かった。
ハイフレームレート、スゴい。ぬるぬる動く。躍動感と“しぶき”や“揺れ”、繊細な動きが、繊細なまま。こっちの目の人体の限界を試されてるような体験ができた。

前作から舞台を海に移す。
それは、彼らがまたしても人類からの侵略に脅かされたからで、最も命を狙われるこの主人公たち“サリー家”が他の仲間を慮って、故郷の村から出ることから始まる。

そして、行き着いた先で何とか匿ってもらえたモノの、“海の部族”である彼らともまた摩擦や衝突がある。
そもそも一緒にいるだけで危険が伴うこの一家だから、色眼鏡で見られたり、森から出てきたヤツらとして、海になれないもんだから見下されたりもする。

内とも外とも溶け込めない。
それらの元凶は、そもそも彼らの存在自体、ルーツにもそれがある。

主人公のジェイク、サムワーシントンは元は侵略してきた側の人間だし、そこから生まれた子供達も“混血”。
そこはもう仕方ないという生い立ちがこの世界で平和に安全で暮らすことを脅かす。

このアイデンティティと向き合いながら、他とも向き合う、強くも弱くもある家族の絆を描く物語、それが『アバター』。

ずいぶん長いこと予告編やってたから、ちょっと観た気になってしまってたとこもあったけど、全くそんなことはなかった。

余すことなく、妥協することなく、500億円の賜物がそこにある。
日本では前作には及ばない成績になりそうだが、世界ではヒットしてるようなので、なんとか、なんとか製作費を回収して、続編、頼む。終わらせてくれ。

前作見せてくれた“奥行き”と森の神秘。
今回見せてくれたのは“飛び出し”と海の神秘。
あの生物達とのコミュニケーションはすごく雄大な自然とスピリチュアルなモノを感じる。

次は、空?地底?、、、宇宙?
これ見せられて次もこれはあくまで過程である的な期待を超える映像美があるのか、スゴい世界。


F:1945
M:16718
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