スーラー

アバター:ウェイ・オブ・ウォーターのスーラーのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

※前作アバターの記憶が曖昧なうちに見に行ってしまったので、深く理解できていない部分があったらすみません。

映像すごいと聞いてたけど、やっばりすごかった。
なので頭使います。見た後ぐったりするので後の予定は入れない方が吉。

でも3時間半には感じなかった。面白かったので。

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構成としては、前半に森襲撃〜海へ避難。
その後海の民と打ち解けるまで。その間にトゥルクン(パヤカン)について。
後半はトゥルクン問題がうまいことジェイクVSスカイ・ピープル問題と融合する。

…のだが、子供たちが主役の映画だと感じた。
私は弟くんのロアクに感情移入した。
失敗をして、失った信頼を取り戻したいけど空回っていく様子は、
見た目(ナヴィ)は人間離れしてるのに人間らしさを感じて、彼の不器用さにはらはらした。

兄のネテヤムの苦労にも共感する。
父の言うことを聞きながら、トラブルメーカーの弟ともうまく接さなければならない様子は
序盤から嫌な予感をさせてた。

私はナヴィの顔の可愛さがいまいちわからなかったが、ツィレヤは可愛いと思った。
ネテヤムとロアクがツィレヤを取り合う流れになったら地獄だなと思ったけど、
そうはならなくてよかった…。

スパイダーという、哀しいこどもについても、ずっと考えていた。
彼は圧倒的被害者だと思う。
彼が望むならアバターにしてあげてほしい。

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ジェイクは、自分の家族を守りたいと森を出て海にやってきたけど、
結果そのせいで家を焼かれた他村々のことを考えると、
ジェイクの選択は合っていたのだろうかと思ってしまう。
でもジェイクにはその手しか残されていなかったような気もする…。難しい。

海にやってきてからのジェイク一行の扱いもヒリヒリする。
特にロアクを沖に残して帰るといういじめのシーンは本当にヒリヒリした。
無事に帰って来れたからよかったけど、子供たちのこういう純粋な悪意は怖い。

ここら辺で、「あれ、アバター2ってもしかして人間ドラマ?」と察しました。

トゥルクンの捕獲シーンはかなり痛々しく、今も地球のどこかで同じ目に遭ってるクジラがいるかと思うと、心が痛かった。
そのあと学者が「人間より感受性豊か」というからたまったもんじゃない。
映画序盤の森が一気に焼かれるシーンも、
現実で起こり得ることだと思うと…。
メッセージ性の高い映画だ。

それにしてもトゥルクンの髄液?だけ採取して体は海へ捨ててしまうとか、
本当に残酷極まりない。胸糞悪いシーンだった。

故にラストの戦闘シーンで
パヤカンが船をバキバキに壊してく様子はスカッとしたね!

ラストは子供たちが変わる変わる捕まって、「もう!!」なりました。学んでくれ…逃げてくれ…

スパイダーのことを忘れないロアク。
その愛情にぐっとくるけど悪い予感…
そして「今の弾当たったよな」と思ったら…ネテヤム…。
ネテヤムが亡くなったこともだけど、
ロアクが間接的にネテヤムを殺してしまったことが本当に辛い。
この子はこの後、この家族たちと一緒にのびのび生きれるのだろうか。
そんな心配をしてしまいました。

反撃シーン。ネイティリが強いのサイコー。
でもスパイダーへの対応はキツいものがあった。
スパイダーの心を傷は誰が癒してくれるのだろう。
スパイダーが捕虜にされた時、このまま人間側だと思われて、ナヴィの人たちに恨まれるのではないか。
もう、パンドラに帰れないのではないかと心配で。
心はナヴィなのに。同じくパンドラや森を愛してるのになあ…。やるせません。

スパイダーがマイルズを助けてしまうのは仕方がない。
でもそのことでまたナヴィに恨まれてしまうかもしれないと考えると…。
スパイダー、なんとか幸せになってほしい。

私は今作2箇所泣いたのですが、
ひとつは家族が助かって海上で輪になるところ。
ロアクとキリが家族を助けたのが良かった。
もうひとつは幼いネテヤムを回想するシーン。
大事に大事に育てた子供に、きっと優劣はないけど、
1人目の子供にはかけた時間がどうしても違うのでしょう。それを思うとどうしてもやるせなくて涙が出ました。

パンドラ襲撃に対しては根本的解決はされなかった今作。
なんとかパンドラの自然が脅かされず、ジェイク一家みんながのびのびと暮らせる未来を祈って、3を楽しみにしています。
スーラー

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