Foufou

スピーシーズ/種の起源のFoufouのレビュー・感想・評価

スピーシーズ/種の起源(1995年製作の映画)
2.0
ちょっとHで惹かれなくもなかったSFホラー。『スペース・バンパイア』は嬉々として観たのに、こちらは敬して遠ざけたのは、エイリアンが碧眼のブロンドだったからかもしれない。

今更観たのは他でもない、エイリアンをデザインしたのが、かのH・R・ギーガーであるのを皆様のレビューで知ったから。ギーガーの画集は、これまた子どもの時分、本屋に行くたびにこっそり開いてみて、今にして思えば背徳の味だったわけですね。

不意のギーガー熱は、山尾悠子の『飛ぶ孔雀』を読んだから。思わぬところで触媒は転がっているものです。

本作、リドリー・スコットの『エイリアン』のようにはギーガーの世界観は残念ながら生かされておりません。

お話は単なる追いかけっこですからね。どうしたって単調になる。そうなると、エイリアンの変化(へんげ)のあり方もさることながら、『エイリアン』のようにどこぞに巣作りして、その巣の景観が、「あ、こりゃ、人類やばいぞ」と観客に思わせる壮大さがないといけない。ギーガーの造形は、異質の極み、だからこそ魅力的なのだ。今作はコスプレで終わってしまった。

以下ネタバレ。
科学者と霊能者と殺し屋の寄せ集め集団でエイリアンを追わせるという発想も変なら、殺し屋演ずるマイケル・マドセンの動きは緩慢で、明らかにやる気がない。研究所の所長のベン・キングズレーの思わせぶりな行動は一々動機が見えない。二手に分かれてエイリアンを追う時、一方はエレベーターで、一方は階段を使って…も意味不明。アルフレッド・モリーナ、フォレスト・ウィテカー、幼きミシェル・ウィリアムズ…と俳優陣は申し分ないのですが。

B級ならB級なりの見せ場があるはずで。ギーガーが関わっているから観る、では肩透かし食らいます。ブロンド碧眼に萌えない小生には星2点でございます。
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