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グッドナイト・マミーのbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

グッドナイト・マミー(2014年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

以前ポスターをちらっと見たときから包帯グルグル巻きの女が気になっていた作品。しかし実のところ包帯はただのミスリードでしかなく、内容は子供がイマジナリー兄弟に唆されて母親を拷問するB級ホラーだった。設定自体は悪くないと思うし、確かに子供の拷問は結構怖かったのだが、どうにも作りが上手くなくて勿体ないなぁという印象。

双子の片割れが実際にはいないというオチは序盤からあまりに露骨に示されるために早々にわかってしまう。とすると興味の対象はあの包帯女が本当の母親なのかどうか、という点に絞られるのだが、「本当に母親でした」というだけの話なので、正直全く面白くない。母親の奇行の夢を子供が何度も見る描写もあからさまだし、思わせぶりに示される瞳の色の違いやホクロの有無、整形手術痕などがただのブラフでしか無いというのはさすがに不自然でわざとらしすぎる。で、最後の最後に勿体ぶって「実は双子の片割れは本当はもう死んでました」と言われても、「いや、知ってるけど…?」というリアクションしかとれない。もうちょっと構成をしっかりと練るべきだったのではないか。

そして映画としてのテンポがあまりに悪すぎる。この手の暗いホラーは雰囲気を出すためなのか知らないが、とにかくそれっぽい映像や静止画を延々と映すシーンが多い。開始1時間経ってもちっとも話が進まないので、かなり退屈だった。そしてやっと動きだしたと思ったら、急に監禁・拷問が始まり、そのまま呆気なく拷問で殺してエンド。「え?これで終わり?何の救いもないの?」と驚いた。もうちょっと話に緩急のつけようがあったのではないだろうか。シンプルに下手だなあと感じてしまった。薄っぺらいのにただただ胸糞が悪い。

あと虫の描写が本当に心底キツかった。生理的嫌悪感が強すぎて、何度も観るのを止めようかと思った。よく見たらしっかりポスターにもいるのか。あまり事前情報を入れたくないからきちんと確認しなかったのだが、今回は完全に裏目に出てしまった。
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