やまもと

海にかかる霧のやまもとのネタバレレビュー・内容・結末

海にかかる霧(2014年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

ユチョン君の体を張ってるのに清廉な演技、瞳孔開き気味で正気を失ったキム・ユンソクの十八番とも言える演技は良かった。
前半の穏やかなシーンがどう見ても死にフラグで、
映り込む刃物が全て不穏な予感を残して、最終的に海霧の中で「ファイナルデッド漁船」と化す鬱々とした展開には満足、なんだけど。

霧の中で徐々に人間性を失っていく閉塞感や緩やかに熟成されていく狂気を味わいたかったんだけど、
どうにも全てが唐突で何の余韻もなく、場当たり的な行動で、
それが人間らしさだと言われればそれまでなんだけど、なんとももったいない印象。
肝心の霧が小劇場の舞台で出てくるスモークみたいだったり、海水がいつまでも綺麗だったり、
なかなか服が汚れなかったり、船がほとんど揺れなかったり、
船上のシーンが完全に室内だって分かっちゃったり、ところどころの雑さが目についてそのせいでどんどんお話に入り込めなくなって行って、
ラストシーンもそれらの違和感を引きずったまま唐突にやってきてなんだかなぁ、なまま終わった。
なんだかなぁ。
やまもと

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