書庫番

この国の空の書庫番のレビュー・感想・評価

この国の空(2015年製作の映画)
3.5
2,015年8月23日 立川シネマ・ワンにて鑑賞。

本作でも二階堂ふみの演技はピカイチでした。
敢えて抑揚を付けない慇懃な口調が、終わりの見えぬ戦争に翻弄されて「女」としての喜びを見出せぬまま諦念の趣さえある主人公を上手く表現しています。
更に主人公の母と伯母を演じた工藤夕貴と富田靖子の演技も素晴らしかったです。
特に今年公開の『君はいい子』でも見られた、富田靖子の苦悩ぶりは本作でも印象深いものでしたね。
印象深いと言えば物語にリアリティーを与える、確りとした街並みや家屋のセットも良いです。

ただ一点気に掛かったのが、二階堂ふみが水浴びをする全裸のバックショット。
このシーンが観た感じどうも吹き替えっぽいのです。
吹き替えするぐらいならこのシーン撮る必要ないと思うのです。
あのワンショットのシーンで彼女が確り顔だけ後ろに振り向いてくれたら、物語がもっと味わい深いものになったと思うのですが…。
書庫番

書庫番