Torichock

イニシエーション・ラブのTorichockのレビュー・感想・評価

イニシエーション・ラブ(2015年製作の映画)
3.6
「イニシエーション・ラブ」

堤幸彦氏に非常に怪訝的な印象を持っている僕が、あっちゃんのために我慢してでも観に行こうと挑んだ本作。(あっちゃんのためとはいえ、"エイトレンジャー"は死んでも観ません)

予告CMの、"あなたは必ず二度見る"とか"騙された"とか大仰な宣伝文句×堤幸彦なんて、地雷でしかねぇよ!と思っていたんですが、なかなか観れる作品でした。

いいところは後で褒めるので、まず前提として言わしてください。
あの程度の"秘密"で、"あなたは必ず二度見る"とかいう大仰な宣伝は絶対にやめたほうがいいです。
もちろん、僕もラストで"あぁそういうことだったんだ"と思ったんですけど、そんな衝撃のラスト!とから言われるまでのことでは全然なかったですし、そこを売りにするには、正直肩透かしやオチです。
僕は、まぁそういうもんだよね、としか思わなかったし、作劇としてラストに大オチを付けただけですし、後出しジャンケンだけどギリギリ許されるレベルのオチです。

あとパンフレットに、堤幸彦氏が
"マユは悪女、この先の彼女の人生を想像すると怖い"とか書いてあったんですけど、女の子ってああいうもんじゃないですかね?も、もしかしてDT?
他に良くなかったところ。
80年代表現が褒められていますが、そうでしょうか?音楽頼りで、正直あざとく感じました。こちとら"
横道世之介"の80's表現を経験してるので、そこまで褒められたように感じませんでした。極め付けは、あのエンドロール。本当にあの不細工なエンドロールが嫌でした、あれさえなければ...。
なんで、演出で足りなかったのかどうか不安になって、エンドロールで後から説明するんでしょうか?ダサすぎます、自信持ってやってください。

さて、良いところです。この映画の良いところは、完全に演者の力でした!
前田あっちゃんの可愛さはあざといんですが、そのあざとさもこの映画ではキーになりますし、あざとさで減点してもめっちゃ可愛いんですよね。そして、この映画のマユと言われる、独特の浮遊感というか、確かに存在しているのに、ここにいるのかいないのか分からないような超現実的な存在を演じることができるのは、今現在、前田敦子しかいないと思います。本当に素晴らしかったです。
松田翔太もサイコーでしたね。
真面目で誠実なんだけど、心ない感じ雰囲気が、side-Bのタッくんを完璧に演じていたと思いますよ。"アフロ田中"やauのCMでも思いましたが、コメディ映画の方が向いてるのかなぁとか思いました。アニキの"ジヌよさらば"が完全なコメディだったのに、あまり笑えなかったのに対して、女の子に振り回されて、友達にからわれたり、あわあわしてるだけなのに、松田翔太の方が笑えるというところもあったり、その中でもどこかキレたら面倒くさそうな男感も出ていてたし、松田翔太キテる感ありましたね!
そんでもって、木村文乃さんですよ!
個人的に、"ニシノユキヒコの恋と冒険"で劇萌えしてしまい、可愛くて好きだったんですけど、本作の石丸さんは最高でしたね。上半期のベストガールにしたいくらいよかった。
今やってる"マザーゲーム"のような口うるさい女より、こざっぱりしてるんだけどエロいという役柄の方が似合うと思うし、オスとしてたまりません。
僕の中では、木村文乃さんと中村ゆりさんは、日本映画界のエロスシンボルです。いつか、井筒監督の映画に出てほしいな。
ご飯の食べ方や名字含めて、石丸さんはサイコー!
てか、名字が良い脇役っていいですよね、"紙の月"の隅さん含め。

キャスト以外褒めないのかよ!って言われたら言い返せないんですが、結構それ以外は無難に作られていたと思うぐらいなんです。とはいえ前半で文句はかなり書きましたが、堤映画でもっとけなすことになるのかな?と思っていたんですが、僕はかなり楽しみました。

あと、途中でトリックに気付いたとかそういうの言うのやめたほうがいいですよ。だからなに?と思うだけなんで!
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