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エレナの惑いのczechのレビュー・感想・評価

エレナの惑い(2011年製作の映画)
3.4
いつもながら冷たくて鋭く刺すような画面作りが得意なズビャギンツェフさん。

整然と秩序だった無機質な部屋。画面上で何回も繰り返される何でもないような日常の動作の中で、とんでもないことをやらかすエレナ。日常や普通の人の中にこそ残酷さが潜んでいると感じさせる。普通の猟奇モノよりよっぽど恐ろしい。

薄い青と直線に支配された静的な部屋はまさに現代社会の中〜上流階級が好むタイプのそれ。文明的ながら人間的な生のありかたが抜け落ちた空間に見える。

一方で、暴力や生活感に満ち、ごちゃついた下層階級の空間とのコントラストがエグい。

その2つの要素が混じったラストの歪さ。。
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