2014年のロシア映画。
アレクサンドル・コット監督、脚本によるドラマ。
中央アジアの草原地帯、小さな家で父親と平穏な日々を過ごす少女。その少女に思いを寄せるのは同世代の男子お二人、馬を駆る地元の少年とカメラ小僧のロシア人。淡い恋心が描かれるのかと思いきや突如、父親の体調に異変、銃で武装した物騒な軍人たちが現れて…云々、といったお話。
登場人物は全員、黙して語らず。しかしながら、大自然を様々な角度から切り取る巧みなカメラワークと音響効果、役者さま方の繊細な演技、とりわけ主人公の少女を演じるエレーナ・アンさんの素朴なお美しさのおかげで最後まで飽きることなく鑑賞させていただきました。
原題は"Испытание"、英題は直訳で"Test"、邦題は少し言葉を補って『草原の実験』。
最初は一切台詞のない無言劇が「実験」的試みを指しているのではあるまいかと<邦題好き放題付け放題問題>を警戒して身構えましたが、いやはや、我が身の「無知」を痛感させられる作品でございました。