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エレファント・ソングのmoonのネタバレレビュー・内容・結末

エレファント・ソング(2014年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

"母親"という存在に執着し、それを作品に落とし込む映画人というと寺山修司とグザヴィエ・ドランが思い浮かぶ。
この映画はドラン監督作ではないが、まさにそんな映画だった。

オペラ歌手の母親の元に望まれない形で生まれた少年は、十分な教育は与えられたが母親からの愛を受け取ることなく成長、象を撃ち殺した父親の記憶はトラウマとなりその後象に執着するきっかけとなる。
その後精神病院で担当医とプラトニックな恋愛関係になるも、それは彼が本当に望んだ愛の形ではなかった…

彼はカルテを読んでいない院長を巧みに操ることでチョコレートの箱を手にする=死ぬことができると考え、3つの条件を提示し取引を持ちかける。

彼が自ら死を選んだ理由が、母親の元へ行く唯一の手段だからなんだとしたら切なすぎる。
自分の子供を2度亡くしたような喪失感を味わった院長夫婦が、その後ゆっくりと再生していくのを見てなんとも言えない気持ちになった。

個人的には院長の姪がダウン症なのがとても引っかかった。一瞬だったがその姪とマイケルと心を通わせるシーンは唯一希望がある重要なシーンだったと思う
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