あんがすざろっく

ヴィンセントが教えてくれたことのあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

4.0
ビル・マーレイは稀有な役者さんである。あのユーモアセンスを持っている俳優はそうはいない。ゴーストバスターズだって、彼でなければあんなスタンスの作品にならなかったかも知れない。決して万人受けする人ではないが、コアなファンからは絶大な支持を持っている。
それは業界でも同じことで、メルフィ監督はこの作品の脚本をビル・マーレイを想定して書き上げている。
だから、主演はマーレイ以外考えられなかったに違いない。マーレイを口説き落とした時点で、本作はほとんど成功したと言っても過言じゃなかっただろう。
驚くのは、この作品が初監督作であることだ。
偏屈な老人と少年の交流を描いた作品が数あるが、本作の語り口は実に味わい深い。
監督はビル・マーレイという俳優の見せ方を知り尽くしていて、その魅力を余すことなくこの作品で描き切っている。こんなに嬉しいことはない。
勿論脇を固めた役者も素晴らしいが、中でもナオミ・ワッツのインパクトは凄いものがある。
ラストは思わず号泣。これがビル・マーレイの真髄だ。
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