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ズートピアの傘籤のレビュー・感想・評価

ズートピア(2016年製作の映画)
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久々に鑑賞。ズートピアに暮らす動物たちのCGデザインが飛びぬけて良く、アクション面もカメラをぐりぐり動かしながらスピーディーに動き回るため全シーン気持ちよさや可愛さにあふれてます。もちろん良いのはアニメーション部分だけでなく、ストーリーもそうで、ズートピア=ニューヨークというように解釈すればBLMが熱を帯びていた当時「偏見を無くそう」「どんな属性を持っていても夢を諦めないで」というメッセージは胸に響いてきます。そういった調理の仕方によっては説教臭くなりそうなテーゼであっても各キャラクターを一面的に描かないこと、各キャラクターの可愛げを大事にすること、嫌な面を描いた後は必ずいい面も描き役割を持たせること、それらが徹底されているためしっかりと伝わってくるのです。ジュディのぴょんぴょん飛び跳ねるような動きは躍動感に満ちていて明るく前向きな性格を表していますし、録音機器であるにんじんが最後まで効果を発揮する脚本も綺麗。そしてニック。ニックニックニック!まあニックです。このアニメの最大の魅力はこのきつねにあります。ずる賢く皮肉っぽいところがあり飄々とした面を持っているため、ある意味では典型的な「きつね像」に当てはまるわけですが、その実正義感ややさしさやユーモアも持ち合わせており、かといってそれを誇示するようなことはしない。見た目も声もめっちゃセクシー。最高。ジュディとのコンビもばっちりでバディものとして見てもちゃんと面白い。世界設定がしっかり出来ているところとか、オチも含めてギャグセンスがいいところとか、会話やシチュエーションや小物など細かいネタが楽しいとか他にもいろいろ要素たっぷりで、やっぱりこの映画好きだなーと再確認しました。あとニックのキャラクターは『ロビン・フッド』観た後だと色んな部分で参考にしてるのだということが感じられてそれも収穫でした。
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