「恋愛対象をキツネに広げる映画」
と噂は聞いていましたが、ニックのイケメンさはディーンフジオカなんてもんじゃなかったですね。
雄キツネに惚れる日が来るなんて、想像していませんでした。
「大人の余裕があるのに少年のように無邪気で、学歴はないけど賢くて、人をおちょくるのが上手いけど本当は優しくて、どこか憎めない陽気な魅力があって、スッと鼻筋が通っている」という
ブスの理想をすべて叶えたオスに出会うことが出来ました。アメイジングディズニー!
【なんとなく自動的にHAPPYになれちゃうタイプ】のディズニー映画とは、一線を画した本作。
女性が男性同様に働き、キャリアを積める世界で、「ウサギらしさ」「キツネらしさ」というアイデンティティを問いながら、多様性やジェンダーレスといった、現代の私達と同じテーマを抱えた世界観で物語は進みます。
何事も諦めないジュディと、諦めることに慣れてしまったニック。
対称的な二人が一緒に行動する中で、無いものを補いあい、共通点を知り、お互いの「らしさ」を尊重しあうようになる様は、
手から氷を出したり、魔神が壺から飛び出すよすような派手さはありませんが、ずーっと現実的で、ロマンチックでした。
女のジュディの持つ【強さ】が、男のニックの持つ【弱さ】を救い、時に憎たらしいニックのズル賢さが、無知で幼いジュディの前向きさを救う。
【理解する、助け合う、一緒に進んでいく。】
こんな美しいPDCAサイクルがこの世にあったなんて、御社ご存知~~~~?!?!?!
共存って、ガラスの靴よりも美しいものなんですね…前作を越えていく、過去のロマンスを余裕で飛び越えていく。
ディズニー映画ってすげぇや…。
幸せというのは、
突然表れた王子様がくれるのではなく、自分達で作り上げていくものだということを、改めて気付かされました。
今までは
漠然と人をお姫様にしてくれるのがディズニーの魔法だったけど、
これからの時代は
【自力で姫になれや】ってことですね。
就活から終活まで、セルフプロデュースの人生をロマンチックに泳ぎきるために、筋力をつけていこうと思った映画でした。