ガラムマサラ

マウス・オブ・マッドネスのガラムマサラのレビュー・感想・評価

マウス・オブ・マッドネス(1994年製作の映画)
3.7
ジョン・カーペンターの狂気の世界。

クトゥルフ神話を下地にした作品って書籍だとたくさんあるんですけど映画だとあんま観かけないんですよねぇ……映像化が難しいのかしら?

しかしジョン・カーペンターは見事にやってのけています。1994年に。


失踪したベスト・セラー作家サター・ケインを探す過程で主人公に襲い掛かる不可思議な現象の数々。
どれもが直接的に恐怖をドカンと食らわせてくる、所謂ジャンプスケアというものではなく、不気味さが形をもって襲い掛かってくるといった感じ。
メタ的な要素も含めて不条理な狂気のオンパレードですがストーリーは迷子にならずかなりわかりやすい。怖さもマイルドです。たぶん。

ただそのぶん気持ちが悪い!
クリーチャーの造形もインパクト抜群。普通だったものが普通じゃなくなっていく感覚、人によってはエクソシストより怖いぞコレ。

そんなクトゥルフ由来の狂気的な現象の数々によって音を立ててSAN値が削れていく主人公たちが不憫でならない……そしてSAN値チェック世界規模でファンブルしちゃった結果がアレかぁ……。

TRPGで例えるならケインがGMで主人公とアシスタントのリンダがプレイヤー。ただしどんな選択肢を取ってもGMがバッドエンドにしてきます。SAN値チェック6D100でダイス振らせてくるGM。無理ゲーだコレ。