Tetsu

むかしMattoの町があったのTetsuのレビュー・感想・評価

むかしMattoの町があった(2010年製作の映画)
5.0

あなたも"人"であるなら観てほしい。

第一部 観賞
現場の過酷さはおそらくもっとあったと思うけど、だから病院に入院しておけばいい、閉じ込めておけばいいわけではない。その過酷さを世界中全員で乗り越えないといけないと強く感じる。精神保健福祉士に関わる医療従事者よ苦悩から逃げるな。方法には色んな課題があり工夫が必要だけど価値観としてバザーリアのような考え方を持てない人は医療従事者としてスタートラインにも立てていないです。
精神病院や介護施設、児童院は収容所ではない。
精神病だから事件を起こせば、いわゆる精神病の人は全員悪いのか入院させられるのか。例えば独身男性が事件を起こせば、独身男性は全員捕まるのか?
昔に比べれば良いかもしれないけど精神においてまだまだ平和とは言えない世の中だと思う。

第二部 観賞
108号法(バザーリア法)ができるまで。
精神障害の当事者たちに必要なのは、仲間、恋人、家族、住む家、仕事、生きがい、人と人の支え、自分で自分の人生を歩む自由と責任…いわゆる健常者と何も変わらない。人によって大切なこと必要なことは違うけどこれらが満たされなければ障害の有無にかかわらず生きづらい。
たしかに極端な思考や感情のコントロールの苦手さなどはあるかもしれないけど、それらだって身近にもそういう人沢山いるよね。
現在、脳科学や生理学の観点から精神障害に関する研究も進んできてはいて、その違いの可能性はあるけど、どうだろうか。僕たちといわゆる当事者の両者で何か違いがあるのだろうか。どちらも市民の1人。
狂ってるから苦しいのか、悲しみが狂わすのか。
ある意味全世界中の人々は当事者ではないだろうか。
Tetsu

Tetsu