けーはち

ロック・ザ・カスバ!のけーはちのレビュー・感想・評価

ロック・ザ・カスバ!(2015年製作の映画)
3.1
落ち目の音楽プロデューサーは戦地アフガニスタンに歌手を連れ慰問のツアーへ赴くが、金とパスポートを持ち逃げされる。武器商人の手伝いなど悪さもやり、日銭を稼ぎながら大使館へ逃げ込む帰途、彼は素晴らしい声の少女を見出す。だが、女性が顔を見せて人前で歌うなどあり得ない、封建的なイスラム教徒の因習に少女は縛られていた。彼は、少女をTV番組「アフガン・スター」に出演させるべく奮闘するが……

★イスラム教の因習と女性の社会進出を絡めた、ズシンと重い社会派ドラマと言いたいところだけど、ビル・マーレイが老いてなおチャラチャラしたプロデューサー役を演り、芸能界ネタとか下ネタとか戦争不謹慎ジョークが散りばめられるので、極めて軽い視聴感の小品と言える。

★ビル・マーレイが歌う「Smoke on the water」とか誰得やねん(意外とうまい)……彼の語る音楽があまりにも70〜80年代すぎて劇中の時代設定が分からなくなるのだが、携帯電話もタリバンも出てくるし、9.11テロ前後だろう。

★戦争の実態を語る上で重くならずコミカルに演出しすぎたせいか終盤にかけて盛り上がりがある訳でもないし、本題に入るまで長く、やっと出てきた少女の歌声も「まあ、普通?」って感じで何だかな。ふと、割と重要っぽいが実はどうでもいい役にブルース・ウィリスが出てくるので笑う。