菊尾

龍三と七人の子分たちの菊尾のレビュー・感想・評価

龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)
1.0
予告編とか見たらおじさん達が世直しでもするのかなと思ってたんですけど、個人的な価値観で動いて最後は復讐っていう、未だに過去の栄光?武勇伝に取り憑かれたまま大人になれずに生きてる八人のおっさんの話でした。最後まで虚勢。
おっさんっていうかお爺さんですけどね、なんかね、北野武の映画には哀愁が欲しいんですよ。シリアス系の話だとそれがどこかしら立ち込めてる、それがいいんですよね。ただこれコメディなのでね、そっちにメーター振り切ってる節があって、でも全員お爺さん、ある程度の年齢でそれも色々あった人生を乗り越えてきたならば人間としての深みがほしいじゃないですか。哲学ほしいじゃん。なのにこの人らにはそれが無い。言動も行為も粗暴。それが極道、任侠道みたいなさ。
任侠ってどういうことよ?この人らは言動と行動が一致してないんだよなぁコメディだからか?任侠とか言うなら今までの監督が取ったヤクザ映画の方がよっぽど出てた。
んー監督の描く笑いって映画では難しいのかな。ビートたけしの時は身体張ってるようにさ映画でももっと破壊的な笑いの方が面白いように思える。これは破壊の方向が違うし、ヘタにオナラの音とか死者にめちゃくちゃしたりって、んーまぁビートたけしの笑いっちゃそうなんだけど、そんな子供受けするようなのじゃなくていいと思うんだよなぁ。元来そういう人かもしれないしヤクザ映画ばかりだったから、暖かい映画撮りたいのかもしれないけど。残念だったかなあ設定は面白そうなのになぁ。これ全員素人の爺さんだったら面白いけどね。
中尾さんが良かったです。親分よりも親分っぽく感じたのは言葉遣いかなぁ。小物役なんだけど、なんか重鎮の雰囲気があるんだよね。さすがでした。
菊尾

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