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トイレのピエタのssr701のネタバレレビュー・内容・結末

トイレのピエタ(2015年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

(今回はいつにも増して頭がおかしいです)


ゴンドラで気絶 こぼれた水が下の人にかかる

ここのテンポがもうちょっと良かったらなーと
どうでもいい小さいことが気になり
どうも冒頭から乗り切れません

市川紗椰はシーツにくるまってるはずなのに
描かれた絵は全裸なのも不自然極まりないです
決してスケベ心ではなく不自然さが気になったということを
強調しておきます

するとわずか1000円で杉咲花と仲良くなれるという
なんだかすごい展開がやってきて世界にのめりこみ始めます
しかも気が強くてぶっきらぼうな杉咲花なので
ちょっとゾクゾクします
おまけに「私に手を出したら犯罪だよ?」と
顔を近づけてマジマジと見つめ続けられるとかなんなんですか!
軽く髪をかきあげて耳を出すとか小悪魔ですか!
血の涙を流しながら我慢するしかないじゃないですか!
花ちゃんが顔の角度を変えて野田の野郎からしか見えなくなったその一瞬とか
うらやま死刑ですよ!彼から見た目線の記憶をダビング希望ですよ!

さらには看護婦がMEGUMIだったのも最高なところです
ここで再び本腰入れて視聴開始という感じでした
だれですかこの見事なキャスティングをしたのは!
先生が頭をなでてあげるから出てきなさい!

そしてとなりのベッドの患者のリリーフランキーの登場で
世界観が固まり始め
とどめとばかりに宮沢りえの登場です!
りえちゃんがお母さん役…
自分も年をとったわと遠い目をしてしまうのでした
まあとにかく情報ゼロで見たのが功を奏しました
驚きの連続です

プールのフェンスを乗り越える花ちゃんの
パンチラが拝めなかったのは無念ですが
「パンツ見たい?プールに潜ればパンツ見えるよ?ほら?カモーン!」
このセリフを言った時の無邪気な笑顔!最高でした!

もう本当に子供なんですよ 純粋無垢というか
演技を超えた演技ですね 自然体とかも超越した
まだ名前のついてない何かですね 体操競技ならスギサキになるはずです(錯乱)
しかもその気になってフェンスを越えようとした野田に
「エッチ!やっぱダメ!」ですからね
こんなの誰だって手のひらの上で転がされまくって悶え死ぬんじゃないですかね

しかしこのあとプールから上がって濡れた制服を絞るシーンや
脱いで干して乾かすからこっち見ないでよ!も無かったから減点です
残念を通り越して無念としか言いようがありません


演技を超えた演技といえばリリーフランキーもですね
熱演とも違うし何て言っていいか
つかみどころがなくて でも一言一言がまっすぐ胸に心に
届いてくる不思議さ 声の深みも相まってか
少しにやけてとぼけた表情から繰り出される言葉は
何とも言えない味わいがあります

中盤 仲が良かった子供との別れがあります
りえちゃんが深く悲しむ姿はとても胸が痛かったです
そしてこの件は何事もなくここで終わってしまうのが
本当に胸が痛いです もう物語に入り込んでるので
こういうことされると実際につらくなってしまうんですよね

前半異様なテンションでレビューを書いてた自分が
恥ずかしくなるくらいこのあとはつらい内容なわけですが
とにかく死ね死ねと当たり散らす花ちゃんがすごいんですよね
これでもかとばかりに生身の言葉がぶつけられます

ただ最終的に一番深いなと思った言葉は野田が言った
「死ぬほどヒマ」
これなんですよね
だからこそ病院で再会したリリーフランキーとも
「ヒマでしょ?」
「死ぬほどヒマ」と
会話してニヤリとさせてほしかった これは本当に惜しいところでした

ど素人がえらそうに言わせてもらうと大オチも
「なんでこんな絵を描いてるかって?死ぬほどヒマだから…かな」
これでもよかったんじゃないかなと思うほどです
この作品いくつかいい言葉があったけど最終的にはこれが
ぶっちぎりでいい言葉だと思ったので
個人的にはもっと効果的に使ってほしかったです


で鬼気として絵を描いてる姿にブラックジャックの話を思い出したんですが
見終えてから手塚治虫の最後の日記の内容が原案と知ってびっくり
娘の手塚るみ子には作品を見たうえで否定されたと知ってさらにびっくり
当の監督は手塚治虫のファンではないと発言してるらしくてこれまたびっくりでした

そもそも病院のトイレの天井にはあれこれ制約があって描けなかったのかな
病院なら噂を聞きつけてりえちゃんが見に来る展開もあり得たのに

それからやっぱり「手塚ファンじゃない」はきついなー
知りたくない事実でした
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