尿道流れ者

シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイアの尿道流れ者のレビュー・感想・評価

2.0
地雷臭は感じていたものの見事に踏んでお亡くなりにならさせていただいた映画。

ホラーコメディって最近はよく聞くが、とても難しいジャンルのものではないかな。僕の理想はホラー描写の中に笑ってしまうようなシーンがしれっと見え隠れするようなものだが、この映画は言わばヴァンパイアあるあると言うか、ヴァンパイアにまつわる小ネタ集という感じで、一つ一つのギャグが高め合っていくようなコメディとしての面白さは欠けていて、ただギャグが単独で並べられているだけに思えた。ホラーとしての面白さはそもそも設計段階で入れられてないようでとても残念。

許せないのは1番魅力的だったキャラをたいして使うこともなく早々に退場させてしまったこと。また、だからと言ってその他のキャラの魅力も掘り進められているわけでばない。シチュエーションありきで、特に笑えると言えるようなものではない。

ゆるい笑いと言えば、 爆笑が無くても許されるような雰囲気があるが、笑いというものが感動や痛みと同様に人々それぞれが持つ多種多様な感性の中にあるものなわけだから、間の使い方やかぶせ方やリズム感なんかは凄くシビアで、ある種計算高い目でみられてなければいけないわけで、ぬる〜く、ゆる〜くしただけのものがゆるい笑いとして評価されるのは笑いに神経使って取り組んでる人に対して凄く失礼な気がする。真剣に観ている人を笑わせる力や意気込みを全く感じなかった。設定は良いが、それのみで凌ごうとするなら素人芸としか言えない。残念なのはせっかくエグい描写を見せられそうな部分を説明と停止画のみで逃げてしまってるところ。そこが見せ所じゃないか。ただのヴァンパイアの日常系コメディをみるなら、わざわざ映画館まで来ないよ。ほんとがっかり。