かなり思い入れが偏ったレビューになってます、ご容赦下さいm(_ _
)m。
「王道のアイドル映画を作る」本広監督はそう語っていた。その通りの作品になってる、やるじゃないか、監督‼
いや、何が王道なのか、あんまりアイドル映画を見てないから分からないが、これだけははっきり言える。ももいろクローバーZというアイドルグループをしっかり見せる作品には仕上がっているのだ。
僕はモノノフだ、だから思い入れも強いのはある。しかし、この「幕が上がる」、僕が見ようと腰を上げるまでには若干の時間を要している。
何故か。作品に対する興味より、マイナス要素が強かったからだ。
まず第一。僕は本広監督の作品がそこまで好きではないのだ。「踊る大捜査線」シリーズで一躍人気になった監督だが、正直あの作品が面白かったのは君塚良一氏の脚本が良かったからで、それを痛切に感じたのは、本広監督の他の作品を見た時に、楽しめなかったことが理由だ。要は僕は本広監督の作品と相性が良くない、という先入観がある。
そして第二。確かに僕はモノノフの一人だが、彼女達に「演技」を期待してない。
一生懸命歌って踊ってパフォーマンスを見せる、五人揃った時の天真爛漫な明るさが僕は好きだ。
そんなももクロがアイドル戦国時代にあって、一つ頭出てから随分経つ。
演技に光るものがあれば、今までに彼女達の主演ドラマや映画があって然るべきだったのに、いや、確かに主演ドラマはあったが、あまり話題にのぼることがなかったことを考えると、やはりももクロに演技は…と否定的な思いもあった。勿論、ドラマも見てないんだけど。ももクロはももクロのままでいいんだよ‼と。
だが、僕はももクロの可能性に賭けた。
いざ作品を見た後。
決して彼女達の演技は、特出したものはない。
しかし、本広監督は見事ももクロの魅力を引き出している。
それぞれに見せ場を持たせてるし、しかも、それぞれが役を生きている。
さおり役のかなこは、徐々に演出家の顔を見せ始め、特に幕前の緞帳カウントダウンの凛々しい姿、声は、普段の彼女とはイメージがまるで違うので驚きだ。
ゆっこ役のしおりん、彼女が一番女優として生き生きしていたかな。
そのしおりんが中盤見せる、揺れる乙女心、このさじ加減は絶妙でした。
明美ちゃん役のあーりん、ももクロ同様のしっかり者の妹。
その彼女も、後半スランプに陥る。この葛藤も見事で、本番での彼女の悔しそうな表情が印象的。さおりに抱きつくシーンも、普段の二人の姿が被さって、名場面になっています。
がるる役のれにちゃん、はっきり言って、ももクロのまんまでないですか(笑)。まぁこれが彼女の持ち味と言うかな、もう少し深みをつけてあげられなかったのかなぁという気もしますが、それでもその場の空気をかっさらえるのは、れにちゃんだからだね。
そして、転校生の中西さん。ももかですよ‼
もう、最初から最後まで、中西さんに釘付け。
あの憂いを帯びた表情。何処となく自分から壁を作っているような、一歩引いた立ち位置から眺めながらも、みんなの仲の良さを羨ましく感じている、その瞳。あ〜中西さん、可愛い‼
駅のホームでの会話に胸が詰まり（ももクロのももかを知っているだけに）。もう彼女がみんなと打ち解けていく姿を見ているだけで涙が…。
五人だけでない、吉岡先生役の黒木華も素敵。いやかっこいい‼彼女だからこその、あの結末。それから杉田先輩も良かった。あの役を演じた女優さんは誰だろうか。
正味119分、見終わるとどっと疲労感が出る。それだけ夢中で見れたということだろう。本編が終わり、ももクロの「走れ！」のMVが流れ出して、「あっ、そうだこれ、ももクロの映画だったんじゃないか！」と我に返って気付く程である。ももクロのファン以外の人が見ても鑑賞に耐え得る作品か、客観的に見れなかったので何とも言えない。確かに、さおりの独白が多すぎたり（逆に要らなかったんじゃないか）、全くもって不必要な小ネタ(あれで完全に作品のテンポが崩れたと思う)など、欠点もある。が、見せ場も多い青春映画になっています。ロケ先の静岡の風景も、しっかりと青春映画を彩っています。見終わると、主題歌の「青春賦」をずっと繰り返し聞きたくなる。これ、まじで名曲です。久しぶりにももクロの好きな曲に出会えました。
ま、結局、モノノフにはたまらん作品ではある訳です。
にしても、ももか可愛い‼いや、中西さん、最高‼
その昔、僕が小学生時代にアイドルグループの少女隊が主演した「クララ白書」という映画がありましたが、それを思い起こさせましたね。なるほど、王道のアイドル映画だ。
追記 ももクロ以外のキャストを振り返ってみました。
芳根京子、吉岡里帆、伊藤沙莉。
すげぇキャストじゃない⁉︎
