ささ

ナイトクローラーのささのレビュー・感想・評価

ナイトクローラー(2014年製作の映画)
4.0
考え直して再レビュー。
ちょっと付け足し。大切なことを。いいねくれた方たちごめんなさい。

ギレンホールだしジャケの雰囲気いいし評価も高かったので期待して行きましたーーーが、
うーん。

常に面白いんだけど盛り上がり切らず…ってかんじでしょうか。ゴーンガール観た時の感想と似てる。

しかしテーマは普段から友と語り合ってる問題。
「殺人や事故などのニュースは"エンターテイメント"として報道されている」
という根深い社会の闇。資本主義の闇。なぜそれが金になるのか。そこにニュースをみる全ての人々の邪悪が映りこむ。
ギレンホールが狂ってる。いや、ギレンホールの狂気の中に私たち自身の狂気をみるべき映画。
金のためなら徹底的に手段を選ばず過激な映像を集め続けるギレンホール演じる狂気のナイトクローラー。なぜだ。金になるからだ。なぜだ。みんなが見るからだ。なぜだ。凄惨な事故やグロテスクな殺人を見たいという心がそこかしこにあるからだ。ノーリスクでそういう過激映像に飛びつくバカどもが多すぎる。
知る権利とか国民意識とか。たくさん言い訳は作れるけど。
ISISに殺された日本人ジャーナリストの処刑、パリでのテロ、津波の映像。それをみる心の何パーセントが善で占められている?何パーセントが悪に蝕まれている。ただの胸糞悪くなるようなクソ好奇心でみてないと言い切れるやつが何人いる。私は言い切れない。むしろエンターテイメントとしてみてしまっている自覚がある。
エレファントマンを観た時と同じ葛藤がここで生まれる。
だからこの映画が描いた化け物は他人事ではない。やばいやつもいるもんだな。じゃなくて、このモンスターを産んだのは私であり、あなただ。(これを映画のキャッチコピーにしてほしい。我ながらイカす。)
私もバカの一人。
報道とはどうあるべきか。ジャーナリズムも奥が深い。マイケルムーアとは対極であり、ある意味同じ存在なのかもしれない。




それと、ギレンホールの狂った演技は本当にすごい。役作りでまた痩せたとか。ドニーダーコの狂気が蘇った。
ただそのギレンホールの狂気にストーリーの狂いっぷりが追いついてなかったと思いました。
想定範囲内。

でも面白いのは間違いないです。なによりテーマがいい。
エンドロールの曲がかっこよかった。
ささ

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