Palpatine

ナイトクローラーのPalpatineのレビュー・感想・評価

ナイトクローラー(2014年製作の映画)
5.0
ファッキンクレイジー
目が離せなくなる

夜のシーンがほとんどだが、車のライト、街の灯りやテレビ局のモニターの光が鮮やかに映えていて、これぞ映画といった画面
狂気が進んでいく物語に一見似つかわしくない長閑なような音楽も、逆にスパイスになっているというか、生暖かい夜風のような印象でこの夜の映画にしっくりくる

そしてたまに挿入される夜明けの都市の明るい絵がいい箸休めになっている(特にスプリンクラーと芝生のカットが印象に残った)

ルーとリックが殺人現場から走り去りながら似非ビジネスライクな会話をしてるのが本当にイカれてる
この2人の俳優は目が大きくて、いかにも夜の生き物っぽいのもぴったり

主人公ルーはただただ怪物だった
最後のフィルムを撮ってきた後、アナウンサーと会話した時に見せた笑いは最高
一方ニーナの、彼より現実的な、実際あり得そうな狂気はさらに怖い
ルーが最後のフィルムを彼女に渡したときの会話にある歪んだ愛(?)はおそろしい

追記
観た時は主人公が「狂っていく」ストーリーかと思ったがそうではない気もしてきた
ルーはもともと他人への思い遣りを持たなず、利用するのみの人間なのではないか
冒頭の警備員への暴行や、ルー自身の「人間嫌い」という発言が裏付けている
主人公ルーに注目すれば、この映画は狂気を描いたのではなく、愛情を持たない冷酷な人間の凄味と怖さを描いているような気もする
Palpatine

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