きゅうげん

ワイルド・スピード SKY MISSIONのきゅうげんのレビュー・感想・評価

3.9
初期のストリート三部作を経て、ド派手アクションに路線変更した『MAX』以降のシリーズ最高傑作。
ボウズandボウズvsボウズwithボウズ!

内容の粗雑さ、展開の強引さ、キャラの希薄さと脚本は毎度のクオリティですが(……とくにジャイモン・フンスーは「撃て!」「何!?」「クソ!!」しか台詞なくてカワイソ)、しかしやっぱりそれを補って余りあるのは、ワン監督の映画的センス。観せ方がうますぎる!
アクロバットなアクションや撮影はもちろん、一瞬みえるモブ被害者のリアクションのカットや、「バトル→街の遠影→別のバトル」と視覚的に良心設計な構成、崖からぶっ飛ぶスローモーションでは鳥のさえずりをかぶせるオフビートさまで。……わかってるなぁコイツゥ!

ところで悲しいのは、葬儀中の会話やサンドイッチの思い出話、あまりに切ないラストシーンなど、随所でにじむポール・ウォーカーの喪失です。
彼の不在とその葬送とに向き合ったキャストやスタッフの気持ちが、作品の内外にあらわれてるようで、回想シーンでは胸にくるものが……。
素晴らしく楽しい作品を、ありがとうございました。