きゅうげん

きさらぎ駅のきゅうげんのレビュー・感想・評価

きさらぎ駅(2022年製作の映画)
2.8
都市伝説『きさらぎ駅』をモチーフとしたホラー映画。
創作怪談とされている一連の出来事を実際に起こった失踪事件としたり、現代の異界訪問譚らしいゲーム的な導入条件を盛り込んだり、設定の中にはアイデアが光るところもありました。

しかし、“つよくてニューゲーム”状態なのにクリア条件とか実績解除とかは曖昧……というアンビバレントさ。ここは物語展開そのものとも直結するので、もっとしっかり整合性を深めて欲しかった。
謎スローモーション謎ズームは古臭いし(せめて寄りの画は別撮りしてよ、画質ガビガビすぎ)、グロとか超常現象とかの表現もありきたりだし。それになにアレ? 触手? 血管? バックベアード???
それこそ最近ブームの“因習村”モノにすることだって出来たのに……。ちょっと詰めが甘すぎますね。


実際のところ、民俗学における都市伝説・ネットロアの研究の多くは、その受容とか発展とか二次的な領域であることが普通です。
だって実際にあった失踪事件を引き合いに神隠しについて論じる、ってソレ場合によっては被害者にも学問にも失礼じゃない?
それと調査に行く学生はメモだけじゃなく、ちゃんとレコーダーも持っていきましょう。
フィールドワークの基本です。