ランボーでありたい

V/H/S ファイナル・インパクトのランボーでありたいのネタバレレビュー・内容・結末

2.9

このレビューはネタバレを含みます

新鋭監督たちによるPOV手法等を駆使したファウンド・フッテージ型オムニバスホラー「V/H/S」シリーズの最終作

アダム・ウィンガードやタイ・ウェスト、ギャレス・エヴァンスなど注目株の若手監督を起用してきたこのシリーズ。
今回のファイナル・インパクトも同じくオムニバスホラー映画「ABCオブデス」で起用された若手監督などを使ってなかなかおもしろいものになっている。

今回のベースとなる短編は
“vicious circles”(悪循環)
監督のマルセル・サーミットは「ABCオブデス」でDを担当。犬VS人間のおしゃれな短編撮った人。
動画を撮ってネットにあげるのが好きな青年の近所で多数の警官を巻き込むカーチェイスが繰り広げられていた。特ダネをもとめてカメラ片手に外に飛び出すが・・。
正直これが一番微妙。このシリーズのベースの短編って不気味さはあるけどなんかすっきりしない。なんともいえん駄作。VHS関係ないのね。ネット社会ですもの。それとおばあちゃんのお○ぱいなんて見せんじゃないよ!

“Dante The Great”(ダンテ・ザ・グレート)
悪魔の力が宿ったマントを手に入れた男が魔力を使いマジックの世界で一躍大スターに!能力を維持するには人間のいけにえが必要でさあ大変。チープさがなんだかキュートで憎めない珍作。

“Parallel Monsters”(並列世界の魔物)
平行世界へと行くことのできる扉を開発した主人公。もうひとりの自分とスワップするがなんだかこっちの世界の様子がちょっとおかしいぞ・・・。
「ミスト」+「バイオショック:インフィニット」×西村映造。
監督はナチョ・ビガロンド。「ABCオブデス」ではしょっぱなのAを担当。包丁ザクザク、あつあつ油びしゃーのあれ。

“Bonestorm”(骨の嵐)
スケーター集団がPV撮影のためにメキシコのティファナへ遠征。不気味なフードを被った骸骨軍団に襲われてんてこ舞い。FPSゲームやってるみたいで愉快ですね。特殊メイクもなんかかっこいいし、骸骨の首飛んだり一番エンタメより。あいつら何者?とかは野暮な疑問なんでしょうね。

ネクストレベルのセイフ・ヘイブンのような突出してすばらしい作品があるわけではなかったが、81分という短さもあり楽しんで見られた。出演者も無名な役者で固めてモキュメンタリーに必要な没入感もある。いろんな作品が見られて楽しいシリーズだったのに終わるのは少しさびしい。

手振れの激しい映像が大半なので酔いやすい人は注意が必要。

*本当はもう一本“Gorgeous Vortex”という短編があったもよう。なにやらカットの対象になってしまってかわいそうな作品。ブルーレイのアルティメット・エディションで特典映像として見られます。