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ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたちのGlamfreakのレビュー・感想・評価

4.5
昔ながらのバートンが帰ってきた。のっけから、オーラン・ジョーンズが『シザーハンズ』へのオマージュを振りまいている。この作品を見逃す手はない。

バートンと“やっと会えたね”感が強いテレンス・スタンプも、2014年に次いで再びタッグを組んでいるし、第二のヘレナ・ボナム・カーターと化しつつあるエヴァ・グリーンが正当派“美しき奇妙”を受け継ぐ。そして何よりも少年が完ぺきだ。

久々に変人にどっぷりと焦点をあてながらも、哲学や歴史を盛り込んだ本作。バートン自身のカメオ出演まであるではないか。

ただ、監督の来日会見によると、日本ロケを検討したにもかかわらず、予算が追いつかなかったのだとか。そういえば、『沈黙』も費用がかさむのを理由に九州ロケを断念して台湾で撮ったそうだ。『ドクター・ストレンジ』は震災復興にあえぐカトマンズで撮影することで現地に雇用を産み、世界に被災を知らしめたというのに、なんとももったいない。

とはいえ、日本への愛だけは本作にもたっぷりと見てとれる、という点だけネタバレ抜きで申しておこう。1970年前後に、ゆとり教育全盛のロサンゼルスで思春期を迎えた同じ穴のムジナとして、ぬらぬらと物語の森を駆け抜けた。

昔ながらのファンは2Dで。
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