インド郊外で働くアメリカ人電気技師ニコラスは、ムンバイに住む恋人イシャニから街の様子がおかしいと電話で告げられる‥‥
広大な土地で溢れかえったゾンビを背景に、ニコラスが恋人を救うため500Km離れたムンバイを目指すロードムービー。
中々面白かったです。
人間ドラマを重視した真面目なゾンビ映画でした。
ニコラスは序盤で身寄りのない少年ジャベドと出会う。
未曾有に見舞われた事で、本来なら出会う事がなかった2人が行動を共にするというのは、実に運命的でインドらしい。
科学的考察は一切排除し、宗教的視点でゾンビ映画に切り込んでいるのが新鮮でした。
輪廻転生とは相反する生ける屍の存在はインド人にとってみれば、死や捕食される事より恐ろしいのかもしれませんね。
見渡す限りの砂漠地帯、人間の慌てふためく姿を横目に悠々と生活している野生動物、インドの社会問題などに触れつつ、感動的な物語に昇華しているあたりも見事。
スローモーションの多用や執拗なクロスカット、不親切なラストなどなど不満もあります。
見晴らしの良い場所でゾンビは散在しノロノロ歩いているにもかかわらず、気付けばゾンビに囲まれている場面には少々疑問を感じた。
とはいえ、全体的な作りは丁寧ですし、主人公にも共感出来る数少ないゾンビ映画の良作かと思います。
