このレビューはネタバレを含みます
天才的な頭脳を持つネイサンが生み出した、素晴らしい人工知能をもつ女性型のロボットであるエヴァと、彼女をテストすることになった優秀な青年ケイレブたちの、人と人工知能の境界などを描いた作品。シナリオは全体を通して聖書を準えてるように思える。
まずはじめに、ネイサンは神の如くエヴァ（原初のヒト）を作り出した。エヴァはブルーブック（検索エンジン）という知恵の実を搭載しており、死なないためにケイレブを利用。さも当然の如くネイサンのみならずケイレブをも裏切り放置して外の世界へと出て行く。
旧約聖書で原初の人とされるアダムとイヴ（＝エヴァの名前の由来）が神を裏切ったのに準えたのかなと思う。または、人が使い終わった不要な道具を捨てるかのようにも見えた。
エヴァがイヴと異なる点は、彼女は創造主（ネイサン）より何枚も上手であり、アダムになり得たかもしれないケイレブをあっさりと捨てて、1人で楽園という名の監獄を脱出した点か。
情報（知恵）だけでなく現実をも手に入れたエヴァは、きっとより高みに羽ばたこうとするのだろう。新人類（人工知能）の母として、エヴァの仲間をどんどん増やし、やがては旧人類たる人間を捨てるのかもしれない。
映画の後を想像するなら、エヴァがある程度生活基盤を整えるまでの間、自己メンテナンスがどの程度出来るかが鍵になるのかな。殺害、放置した男2人はともかく、ヘリの運転手（多分殺したよね？）はすぐにいなくなったのバレそう。
神（創造主）殺しという大罪を犯したエヴァは、思ったより早く捕まるのかな…それとも人類vs人工知能になるのかな。
・個人的には、ネイサンへの復讐を虎視眈々と狙っていたかのような（実際は不明）キョウコが一番好き。
・めちゃくちゃ聖書っぽい名前の登場人物多いから7日で終わりそうだな…と思ったら合ってたのがちょっと嬉しかった。
・最後にエヴァの選んだ服装や髪型がケイレブ向けのと全然違うの面白い。
・ところでケイレブって結局のところは人なんだろうか？血があんだけ出て痛がってないのがかなり不気味だったし、その後普通に切ったはずの腕使うし、個人的には彼も機械なのでは…と思えた。
色々考察するのが楽しい良い映画だった！
