GaPTooth

神々のたそがれのGaPToothのネタバレレビュー・内容・結末

神々のたそがれ(2013年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

凄い映画を観た。
時間など気にならないほど夢中で観た。
本作の持つ"力"にねじ伏せられ圧倒されて言葉にならない...

ただ物語はそれほど複雑ではない。

地球より800年ほど進化が遅れている惑星。
その首都アルカナルに遣わされた調査団の1人ルマータは、人々から"神または神の子"として崇拝の対象となっていた。
調査観察のためだから、アルカナルで何が起ころうとも介入してはならない。ルマータは傍観者でいなければならない。

例えば、アルカナル王ピッツ6世の命令により王権守護大臣レバの分隊が"知識人狩り"を行っているが、介入してはいけない。

が、目の前で愛する者が(槍により)惨殺されたのを機に傍観者としての限界を感じたルマータは、遂にはアルカナルを...

「皆殺しだ」
傍観者であるはずのルマータが激しい怒りを抱いて介入してしまう。

双方に救いは無い。
救済は皆無。

ルマータの吹くハーメルンのクラリネットで終幕。

[封入特典]
①アレクセイ・ゲルマンの経歴
②物語
③解説
④アレクセイ・ゲルマンの声明
⑤「全知」であることの不幸
⑥部分が自律的にうごめく中世的な映像
⑦不寛容、狂信、言語に絶する残虐からなるこの地獄byウンベルト・エーコ

④アレクセイ・ゲルマンの声明には深く共感した。特にいわゆる現代映画の傾向に対する見解はその通りだと思った。
あとゲルマンが「観ていると幸福な気持ちになれる映画」の中で、ベルイマン、フェリーニ、イオセルアーニ、ムラートワらと共に黒澤明の名前を上げているのが興味深い。

[特典ディスク]
PLAYBACK~アレクセイ・ゲルマンの惑星
アントワーヌ・カタン & パヴェル・コストマロフ製作
カタンとコストマロフが『神々のたそがれ』の撮影期間中、現場で自由に動き回る許可を得た上で2台のカメラを使って記録した『神々のたそがれ』の撮影風景やゲルマン監督への取材などで構成された作品。
『神々のたそがれ』の製作状況が具体的に記録されている貴重な映像資料と言える。
出演者やクルーを叱咤する(イライラをぶつけている)ゲルマン監督、常に現場に居るゲルマン監督の妻カルマリータ、撮影期間の長さにうんざりしてゲルマン監督やクルーに当たり散らすルマータ役のヤルモニク、また撮影監督の1人だったイリインが亡くなった際の様子等々も記録されている。

原作小説『神様はつらい』
アルカジイ&ボリス→ストルガツキー兄弟。
※ラグナロク(北欧神話:終末)
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