不気味で難しい映画でした。重層の入れ子構造で、不安と恐怖に追いやられました。
東日本大震災を巡る、亡くなった者と生きている者の物語。
社会心理学者の瑛子は、震災の予知夢に興味を持っています。大きな天災や事故の際には、予知夢を見たという証言やドッペルゲンガー現象が数多く報告されると言います。
演劇学専攻の薫は、震災を扱った劇の稽古をしています。劇を作る上で何か悩みを持っているようです。
2人とも、夢に苦しめられます。
夢とは何か。
人の精神は眠っている間、宇宙空間のようなところに集まって何かを共有している、自身の経験や発想には無いような内容の夢を見るのはそのためだ、というような話を聞いたことがあります。
頭がイかれた話のようですが、何か信じてしまいます。
でも、この映画は、人は他人の悲しみや怖れ、喜びを共有することは決してできない、と突きつけています。
一方で、その逆のことを言っている気もします。
正直言って、よく分かりませんでした。でも、分からないなりに、いろいろと考えていたら、もう一度観てもいいかな、と思ってきましたよ。不思議です。