CHEBUNBUN

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

2.5
【映画ファンよ、この卒業式に参列せよ】
何も書けない!

観た者が、ネタバレを避けSNSから沢山の人が去った大地で遠吠える。そんな映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を観てきた。

成る程、語り辛い映画だ。しかし、ここは腕の見せ所。暗号文で感想を書くとしよう。未見者はくれぐれも復号を試みてはいけません。

《アベ》ンジャーズがシミンにより、全滅の危機に瀕したここネオシティトーキョーの裏で起きている凄惨な出来事に我々は驚愕し、哀しむ。その哀しみはどこから来るのか?丁度マーベルユニバースが本格始動したのは10年前の『アイアンマン』から。よくあるコミックアクション映画から始まった本シリーズは、やがて『アベンジャーズ』という怪物作品に化けてから、常に社会的メッセージ、皮肉、人種問題を、ピクサーよりもスマートにかつまさにMARVELなものとして観客に驚きを与えてきた。ソニーとも上手くやり、スパイダーマンまで参画した。

ブンブンが丁度映画に嵌ったのも『アイアンマン』公開と近い時期。それ故に、本作は《大学の卒業式》に近いカタルシスが生まれた。

次々にテーマ曲と共に現れる《やつら》。まるで卒業証書授与のようだ、全員が一堂に、アイアンマン、スパイダーマン、ハルクetcを観る。キャプテンアメリカなんて、昔はあんなに厨二病みたいだったのに立派な男にイメチェンしているではありませんか!そして、意外な交流関係も顕になり胸が踊らせられる。

しかも、サノスよ、まるで最凶の鬼教師ではありませんか。暴力的で独裁的なヤツ、、、なんだけれども非常に人間味がある。ある使命の為、心を鬼にして迫る様子にだんだん惹きこまれていった。寧ろ、終盤はサノスを応援していた。

では本作は傑作なのか?

困った。

残念ながら否と答えるしかない。いや違う。『レディ・プレイヤー1』がサノスばりに最強故に、本作はの弱さが露呈してしまったのだ。

まず、『インフィニティ・ウォー』は全体的に時間に追われすぎている。もちろん分かる。2時間半に何十人もの主役級キャラクターを均等に描くのは不可能に近い。でも、全体的にキャラクターを召喚するのに必死で物語ろうとする気力が見受けられなかった。まるで、初期のアイアンマンスーツのようにはりぼてだ。残念ながら、『レディ・プレイヤー1』は圧倒的に余裕を魅せた物語運びをしている。メッセージを伝える為に物語を進めているのだ。だからこそ、本作は観ている間こそ楽しいが、結局チェスの駒を乱雑に動かしただけとなってしまう。

また、非常に残念だったのは、サノスの石。せっかく、石を一つ集めるごとに強大な能力を得る設定なのに、石は各土地や思想を反映している設定なのに、その力の属性が被っている上に、いまいちよくわからない。もちろん驚く使い方はあるが、あまりに勿体無い。

結局のところ、楽しい卒業式のはずが哀しいお葬式のようになってしまった。

いや、これはあくまで卒業式だ。2年後に卒業パーティが待っている!これはきっと楽しいものだろう。期待しています。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUN