りゅっくサック

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのりゅっくサックのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

アイアンマン(2008)から連綿と続いたマーベル・シネマティック・ユニバースも
今や主要キャストがMCUからの卒業を表明し
一旦の区切りとなる2019年5月公開予定のアベンジャーズ4(仮題)を前にとんでもない破壊を見せた。

話の大筋は簡単で
サノス「この宇宙はもう人口過多で資源がこのままでは枯渇するよね?
だからこれは俺の使命なんだ、宇宙の生命の半分を消滅させて救わなきゃ。」

時にはリアリティストーンの幻術で「ばかもーん!そいつがルパンだー」とストーンを奪い
はたまたスペースストーンでテレポートしたかと思えば、別のヒーローの元へ現れ試練とも呼べる問いかけを残していく。
ヒーロー「奪われるな!」→「くそぉー!」という追いかけっこ。


いきなりラストから書くと
残った最後のインフィニティストーンを争うワカンダの戦いにて
まさかり担いでサノスに一矢報いたソー。

しかし「頭を狙うべきだった」と不敵に微笑み指パッチン。
多くを失った者としての情けか再び敗北してしまうソーの焦燥と怒り、やり場のない感情の末…

全宇宙の生命の半分が消滅した。
アベンジャーズも例外ではなく半分消える。
キャップは家と言っていた仲間と友を失い。
ワカンダは王を失い。
ワンダは愛する者を二度殺すことになり失意の中塵となった。
トニーは恐怖で震える愛弟子の最期を腕の中で看取った。

ニューヨークではヘリが墜落、車は衝突し人々は為す術もない。

ラストカットは宇宙の救済を果たしたサノスの悲願達成と哀愁のこもった表情で終わる。
これはゲームだと2周目プレイ必須のバッドエンドである。


この作品の原作インフィニティガントレットやヘルボーイの翻訳者、堺三保さんはこう言っていた。
「ウィンター・ソルジャーからガーディアンズ・オブ・ギャラクシーには決定的な違いがあって。
WSまではヒーローがどう敵に勝つかだったんだけど、ガーディアンズからは圧倒的にヒーローより格上の敵。
それに対してどう挑むの?
『だってヒーローだから』
じゃあどう戦うか?
『負けると分かってても…』
っていうのはサノスへの前振り。
ヒーローはどうするか?って答えをガーディアンズ以降の作品で見せていた。
戦う意志が大事で、正義を重んじてれば誰でもヒーローなのがアメリカン。
後半数年はそれを打ち出していた。」
頷き過ぎて頸椎の半分が消滅しました。


少し話は変わって
植物って生物の中で唯一、生きてる部位と死んでいる部位が共存できる生物だそうで
切り株に新芽が生えたりするのはその証拠らしい。
そして新しく芽吹いたその部位は、元の植物と同じ細胞で出来てるとか色んな研究がされてるようだ。

そんな芽吹き盛りのグルートは別人という解釈で、ラストの「i am groot」はロケットを「お父さん」と言い残し消えたそうだ。
マーベル・シネマティック・ユニバースにダッジチャージャーは無かった。


サノスの主張は図々しく正しい、正しすぎてハードルが大気圏突入。

ただガモーラの惑星は人口の半分を虐殺したおかげで、貧富の差は無くなり繁栄しているとサノスは言ったが
反面サノスの惑星タイタンは動乱の跡が残る砂漠。

前作ブラックパンサーでティチャラの言った「同じ惑星の民族として手を取り合う」か否か。
そこに付け入る隙があるのかなと思う。
あとはヒーロー達がサノスの正しさをどう論破するのか。

ライバル社DCのバットマンvスーパーマンでは、スーパーマンという神にも等しい正義と力の象徴を失い
次作のジャスティスリーグでは文字通り喪中から始まったが、スーパーマンは戻ってきた。ブチ切れながら。

破壊なくして再生はない。
キャストたちの卒業へのカウントダウンに寂しさもありつつ
アベンジャーズ4ではどんな再生を見せてくれるのか楽しみでしょうがない。
りゅっくサック

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