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ブラックパンサーのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
4.2
亡き父の後を継ぎ、超文明国家ワカンダの王となったティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)。ワカンダは世界を崩壊させるパワーを秘めた鉱石、ヴィブラニウムの産出国であり、その秘密を狙う者も少なくなかった。ティ・チャラは武器商人のクロウ(アンディ・サーキス)や王位を狙うキルモンガー(マイケル・B・ジョーダン)から祖国を守るため、ヴィブラニウム製のスーツを身にまとった戦士、ブラックパンサーとして戦いに挑む。
「キャプテン・アメリカ・シビル・ウォー」で鮮烈なデビューを飾ったブラック・パンサーの、ワカンダの王位と運命を掛けた戦いを描いたアメコミ映画。
「キャプテン・アメリカ・シビル・ウォー」でのテロでティチャカ王を亡くし王位についたティチャラは、ワカンダの前王ティチャカが残した負の遺産である部族間の抗争そして決して表に出せない前王ティチャカが残した遺恨と、ワカンダ王位を狙うキルモンガーとの戦いの中で向き合い、ワカンダ王として相応しい人物として成長していく重厚な成長と家族のドラマが、ヴィラニウムをめぐっての武器商人クロウとティチャカ前王やティチャラに復讐の炎を燃やすキルモンガーのワカンダ王位を狙う陰謀、「キャプテン・アメリカ・シビル・ウォー」で登場したロス諜報員も乱入するヴィラニウムの秘密を狙うスパイ戦が絡んで、ワカンダの伝統文化とハイテクが融合した独特な世界観で描かれるのが今までにない感じでユニークだし、アフリカの文化を生かしたブラック・パンサーのヴィラニウム製のスーツやヴィラニウム製のリング・ブレードや槍や豹頭形のガントレットなどのハイテクガジェットもカッコいい。
ティチャラの元恋人でワカンダを守るために諜報活動を行うリング・ブレードの達人ナキア(ルビタ・ニョンゴ)やティチャラの護衛部隊の隊長オコエ(ダナイ・グリラ)や武器や科学のエキスパートでティチャラの妹シュリ(レティーシャ・ライト)と、まだまだ未熟なティチャラを支えるワカンダのレディースの、諜報活動やバトルでのサポートだけでなく、リング・ブレードを使うナキアや両腕に豹頭形のガントレットを装着したシュリがクライマックスでのバトルで多勢に無勢を相手に戦う活躍も見所。
ティチャラの父ティチャカが残した遺恨が、ヴィラニウムなどのハイテクをどう生かすかの意見の対立にあることが、最近の世界情勢の社会風刺になっていて、ティチャラがこれからのワカンダをどうするかを決断した意思を踏まえた国連での演説は、アメリカのトランプ大統領の排外主義的で自分の国最優先な姿勢に対するカウンターメッセージになっていて、アメリカで大ヒットした理由が分かる新たな切り口のアメコミ映画になっています。
「ワカンダ、フォーエバー!」
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