Ash国立ホラー大学院卒論執筆

アベンジャーズ/エンドゲームのAsh国立ホラー大学院卒論執筆のレビュー・感想・評価

4.7
【五百億%の解答】

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支配するには、それまでに存在した全てを破壊する覚悟が必要だ。その記憶すら消し去らねばならない。失われたものについて考えるな。未来だけを考えよ。
これはサノスが、自分をさとす物語。宇宙を破滅させる物語
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エンドゲームはIWとは違った意味でぶっ飛んでる作品でした。さすがにIWほどの衝撃は…と思ってたけど見事裏切られる。全MCUファンの期待に五百億%答えてます

そして感傷的要素もあります。何度目にゴミが入ったことか…。普段はゴミが入らないようなシーン(戦闘シーンなど)でも、特大のゴミが入ってくるのが今作の唯一無二の特徴です。感覚的には『デアデビル』のシーズン3のラストに似てるかな。

無印はテーマ無視のドンパチ、ウルトロンやシビルウォーでは正しさとは何か、IWでは漢の意地、今作では「生きるとはなにか」「幸福とはなにか」「命とはなにか」と考えさせられました。ラストやエンドクレジットも秀逸で、色んな意味で「伝説の終わり」です<(_ _*)>

少なくともトテツモネーモノスゲー作品であることは保証できます。ただMCUの他作品を見ていないなら絶対におすすめ出来ません。多分意味不明で感動もないです



P.S.
●本作のテーマについて
ヒーロー物としては究極のテーマだったと思います。
ヒーローは命や市民の幸福を守る為にヴィランと戦うわけだが、その命や幸福に価値がなければ守る意味がなくなる。ヴィランは全てを犠牲にして己をぶつけてくるが、ヒーローには守るべきものがある。それがなければヴィランとの差は考え方のみとなる。まさに"守るべきもの"がヒーローをヒーローたらしめているわけで、そのものの正体に迫った本作は、ヒーロー映画としての究極的な本質を捉えられていると思いました。

●このテーマの意義
ヒーロー映画ってのはどうしても「捨てるべき命」「諦めるべき幸福」って感じで、本当に価値のあるものから目が逸れがちなんだよね。自己犠牲の崇高さを描いた作品(ダークナイト、デアデビル、ウォッチメン、パニッシャー)も好きだけど、エンドゲームでは本来の姿に立ち返ってくれてよかった