ヒロ

殺されたミンジュのヒロのレビュー・感想・評価

殺されたミンジュ(2014年製作の映画)
3.5
開始早々、女子高生のミンジュは殺される。それから1年後、事件に関わったとされる7人の容疑者たちが、謎の集団に次々と拉致され拷問される。事件の真相は?謎の集団の正体は?少女殺人事件を発端とする暴力の連鎖を描いた社会派サスペンス。

表向きは復習映画。
しかし、裏テーマとして韓国が抱える様々な問題(権力者の腐敗、経済格差、学歴社会、etc)への警鐘が隠されており、なかなかに重厚な作品。

謎の集団のメンバー
客から見下されるカフェのウェイター
上司からのパワハラに苦しむ自動車修理工
名門大学を卒業したにも関わらず無職の男
DVに苦しむ女
妻の病気のため借金だらけの男
路上生活を送る自営業の男
それぞれに問題を抱え、生きていくのがやっとな人々の集団。

一方で7人の容疑者たちは、高級レストランで食事を楽しんだり、趣味にお金を費やしたり、時間にもお金にも余裕のある人々の集団。

この対立構造が韓国社会を暗喩している。
下大多数の貧困層VS上少数の富裕層。
そして、タイトルにもあるミンジュ=民主主義。
殺されたミンジュ=殺された民主主義。
やりますね、ギドクさん!

ただ、画的な面白みは皆無なのでこの点数に………。

あと、マ・ドンソクが主演ですよ!!!
端役すぎてキャスト欄にも載らないことが幾度もあった彼にようやく春が来たようです笑。
マ・ドンソクに乾杯。

2016-211
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