緑青

スポットライト 世紀のスクープの緑青のレビュー・感想・評価

3.9
とてもよかった。突然のスタンリー・トゥッチに「オッ!」となった。私はマーティ局長みたいなひとになりたい。
『アイヒマン・ショー』でも、1969年のアポロに話題を食われてしまう描写があったけど、今回の映画でも同じようなことが起きていた。2001年は確かに9.11があった年だった。こういうことは少なくないのだろうと思う。本気で向き合う存在を実感できるまでは被害者が口を閉ざしているという構図も一緒だった。
調べていくにつれ、ことの重大さに気づいて深刻に、真摯になってゆく記者たちの様子や、他意はなかったにせよ、過去に被害者の声や告発を見殺しにしていたことに気づいて自責の念に駆られざるを得なかった記者と、歩調を合わせて引き込まれながら見ることのできる作品だと思う。
マーティ・バロン局長が言った「つい忘れるが、我々はいつも暗闇の中を手探りで歩いてる。そこに急に光が差すと、ようやく間違った道を来たことがわかる」は真理ですね。原音は “Sometimes it’s easy to forget that we spend most of our time stumbling around in the dark. Suddenly a light gets turned on, and there’s fair share of blame to go around. “ 手探りで進んで、光に照らされた時に間違いがあるなら、全力で道を戻ったり修正したりできるような人間でありたい。たとえ当事者でなかったとしても、当事者じゃない人間のできることを地道に確かにやってゆきたい。
緑青

緑青