LEONkei

スポットライト 世紀のスクープのLEONkeiのレビュー・感想・評価

3.0
アメリカ社会でカトリック教会の神父が性的虐待事件を起こす衝撃度は、私たち日本社会に生きる日本人には少し感覚が違うだろう。
この映画は過去の事件を掘り起こし奔走する記者を描いてはいるが、映画の本質はジャーナリズムとは何かを考える。

ジャーナリズムとは何か…。
真実を有りのままに公にするのがジャーナリズムと思いきや現実は違う。

新聞はもちろんマスメディアの全ては〝ドキュメンタリー映画〟のようなもので、事実を伝えているようで実際は製作者側の主張にそって報じている。

そもそも〝ドキュメンタリー映画〟とは事実を描いているのではなく、単なる〝プロパガンダ映画〟だと自分は思っている。

それは資本主義だろうと社会主義だろうが、伝える側の意図を明確に一般大衆に伝達する手法にすぎない。
それが良い悪いではなくマスメディアとはそういうもので、ジャーナリズムとは人間の手によって作られるということを忘れてはならない。

既存のマスメディアを完全に打撃を与えたネットの台頭も、それもまた新しいマスメディアの1つでしかない。

人々は自らの意思で物事を判断する能力が備わっていれば問題ないが、自分も含め世界中のあらゆる人々は何らかのマスメディアの影響を受け生きるしかない。

垂れ流される情報がどんな意図をもっているかなど知らず…例え既存のマスメディアに抵抗したとしても、結局それが違うマスメディアに踊らされてるだけである。

日々、思い考えて行動していることは自らの意思で行っているようで、実際はごくわずかでしかないのだから。

マスメディアが決して〝悪〟とは言わない。
有益な情報や見えない世界を見せてくれる事もある。
何より自身がマスメディアで生きる人間だからこそ、伝える重要性・影響力を身にしみて感じなければならないと思っているから。
流されず・鵜呑みにせず・自らの意思で吟味し選択する、マスメディアとはそういうモノだと理解し生きることが重要ではないか..★,
LEONkei

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