ゆず

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生のゆずのレビュー・感想・評価

4.3
IMAXで観られるフレームブレークという上映演出が好きである。上下の黒帯部分までVFXがハミ出るというただそれだけの原始的手法なのに、これを大画面で3D上映で観ると本当に飛び出してるように見えるからすごい。「ぶっちゃけ3Dなんて大したことないよね」「アバター以来どの3D映画も飛び出してないよね」と思ってる人にこそフレームブレークはお勧めしたい。少なくともフレームブレークは実際にハミ出ている。家庭用ソフトでは見られないバージョンなので、IMAXに行ける方はぜひ映画館でハミ出し具合を確かめてほしい。

と、こういう話を前作の感想でもしたのだが、あと3作、ファンタビが公開される度に毎回やるのだろうか、これを。フレームブレークが一般常識化すればいいのだが、今のところ私がフレームブレークを観たのは「ゴーストバスターズ」とファンタビシリーズというごくわずかな傑作だけに限られているので、どうしても言及したくなる/せねばならない。やっぱりIMAX上映を見込んだ大作映画、その中でも娯楽作品ということになるんだろうか。(てか、なんでマーベル映画はフレームブレークやらないんだろう?という、いま関係ない疑問はさておき)フレームブレークについて皆が感想に書けば、逆に私は書きたくなくなると思うので、その時こそ最初から最後までファンタビの感想に集中できると思います。よろしくお願いします。

さて、ようやく本編の感想だが、まあ最高だったよね。ニュートとティナの不器用同士の恋愛模様もなんか良かったし、ジェイコブとクイニーのカップルもまた見られて良かったし。今回クイニーは困ったちゃんみたいな立ち位置なんだけど、それは逆に人間らしさを表してもいてより魅力的に見えこそすれ、けして嫌いにはなれないんだよな〜。そっか美人だからか〜。元祖困ったちゃんのニフラーは相変わらず可愛いどころかニュートの役に立っていて株を爆上げ。
ストーリーの方は正直ちゃんと説明できるか怪しい。新しい登場人物が複数出てくるところまではいいが、その新キャラ同士で血縁をめぐる因縁を云々するのでなかなかついていけなかった。弟が〜、妹を〜、父は〜、みたいな込み入った話を新登場の人たちでやってるので、えっ…ちょっと待っていっぺん相関図つくろ?魔法で分かり易い人物相関図つくって見せて?という気持ちになる。
あと、まあ本作の結末はより大きな結末への前哨戦という感じで、むしろここから面白くなっていくんじゃねえですか!?と言いたくなるエンディング。5部作を完走した後でここに戻ってきた時にようやく本作で何が描かれていたか分かるんじゃないかと、そういう類の内容だったので、次回作への期待で胸がいっぱいである。
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