ミミズ式SGキネマ倶楽部

スーサイド・スクワッドのミミズ式SGキネマ倶楽部のレビュー・感想・評価

スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)
2.9
「フューリー」「サボタージュ」のデヴィッド・エアー監督がメガホンを撮った本作。広告会社の作った宣伝があまりにも良かったので、急遽撮り直しが行われたりと色々いわくつきの作品です。そんな本作ですが、はっきりいって自分的には低評価にせざるを得ませんでした。

 本作のテーマは何といっても普段バットマンやスーパーマンなどヒーローと対峙するアウトローたちが刑を軽減されるというたったそれだけを理由にチームを組まざる得なくなった寄せ集めの部隊であり、名前の通り決死の作戦に挑まなければならないというところでしょう。すなわち、「悪であること」、「決死の作戦であること」は盛り込まないと成り立たない訳です。
 しかし、本作で描かれているのは、徹底してキャラ紹介場面です。キャラを紹介する、またキャラを紹介する、そしてキャラを紹介する。しかもキャラ紹介も能力についてがほとんどなので、この囚人たちはどんな悪人たちなのかというところは伝わってきません。しかも、囚人たちを統括する人物の思惑で彼らは嵌められてしまうので、なおさら「この人達は悪なのか」と疑問が生じてしまいます。

 また、決死の作戦かどうかというところですが、本作の敵の第一印象は、「よ、弱そう」という感じです。実際あっさりとやられてしまい成し遂げた感が全くありませんでした。もっと強い敵とまでは言いませんが、道中での困難はもっと描いてほしかったですね。

 ヒロイン役のマーゴット・ロビーはよくぞここまで漫画らしい人を見つけてきたというほど、キュートでしかし残虐性もあるハーレィクインという人物をうまく演じられていたと思います。半面、ウィル・スミスは終始ウィル・スミスでしたが…。

 総じて本作はキャラクター紹介に重点を置きすぎた結果クリアすべきところがおろそかになってしまった印象です。キャラクター大集合ものとしてマーベルとの差を感じずにはいられない作品になりました。