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図書館戦争 THE LAST MISSIONのmanamiのレビュー・感想・評価

図書館戦争 THE LAST MISSION(2015年製作の映画)
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こちらも続けて再々鑑賞。原作シリーズ全て既読。
映画2作目である今作では、手塚光の兄・慧、および彼が主催する「未来企画」が本格的に登場することにより、良化委員会と図書隊の対立がいよいよ激しさを増し、世論をも動かしていく。
「図書館の自由法第33条にもとづき、拒否権を発動する」互いの宣言は、古来の戦で行われていたという「名乗り」のようで、期待も緊張感もいっそう高めてくれる。
「本は本です」も正論なら、「私たちが守ってるのは本だけど、本だけじゃない」もまた真実で、立場によって正義は違うという視点を、野木亜紀子氏脚本の力もあり改めて突きつけられる。言論の自由という名を借りた言葉の暴力はいつしか表現の自由を奪うことになり、それはつまり思想の自由が奪われることに等しいと、原作1作目出版から18年が経っても、いやむしろ今の方がさらに考えさせられると言えるかもしれない。
そんなシリアス展開ばかりでなく、もちろん「ムズキュン」も盛り込まれている。笠原を泣かせてしまったとアタフタする堂上、そこにやって来ちゃった玄田隊長たち、笠原が走り去るときに小牧の口から漏れる「あー」…ってシーンの、なんとも微笑ましいこと。
堂上の「戻れ」も毎回キュンだし、そう命じられると忠犬のように戻る笠原も可愛い。
ドラマ版の土屋太鳳もちらっと登場。さらに玄田隊長の脇にいつもいる田邊和也もシブかっこいいと今回発見したけど、Filmarksに記載ないのが残念だわ。

8(1718)
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