CMに惹かれて、ちょうど友人たちが観に行くということなので視聴した。因みに｢あの花｣は未視聴。
ストーリー、心理描写、展開、そして音楽が非常に高い完成度で作品として実現している。観ている者の心を揺さぶる、もしくは響かせるような青春の響きで満ちている。高校生を過ぎ去った自分にとっては、気恥ずかしさともほろ苦さとも言えない、しかし心地の良い感覚を体感した。
この作品のテーマとしては｢伝えること｣だったと個人的には思うが、それを言葉と歌、ミュージカル、そして登場人物の存在そのもので丁寧に描かれ、その大事さを歌に乗せて説いている。そして四人のラストのあの収まり方も非常に秀逸であった。月並みな表現にはなるが、甘酸っぱくも綺麗な音色で溢れた、そんな作品だった。
一つ残念なところがあるとすれば、話の一番の主軸であるミュージカルを全編通しては描いていないところ。途切れ途切れに他のシーンと交互に描く形であったので、(ストーリーの展開上その見せ方は理解できるが)できればきちんと全部観せてもらいたかった。特典のパンフレットにはミュージカルに登場する歌が全て記載されていたのでてっきり全て観せてくれるものと思っていたので。
しかし上述した通り、非常に高い完成度でまとまった良作である。これはぜひ音響の整った映画館でこそ観たほうがよい。そう思わせられる映画だった。
