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WEEKEND ウィークエンドのCinemanのレビュー・感想・評価

WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)
3.0
『WEEKEND ウィークエンド』
アンドリュー・ヘイ監督
2011年公開 イギリス

鑑賞日 2023年4月22日

偶然出会った孤独を抱えた2人の男の2日間の激しい恋物語です。
かなり激しいセックスシーンが続きますが二人が清潔感あふれるキャラクターだということとヘイ監督の淡々とした語り口調でいやらしさを感じさせません。

【Story】
イギリス、ノッティンガム。
金曜日夜。
ラッセル(トム・カレン)は友人が開くパーティに参加しました。
パーティでは口数の少なかったラッセルはその後一夜の相手を探しにクラブに向かいます。
クラブで出会ったのはアーティストのグレン(クリス・ニュー)。
2人はラッセルの家で一夜を共にします。

土曜日。
朝起きるとグレンは作品として使うのでラッセルに昨晩の出来事を詳しく話してくれと言いためらいながらもラッセルは語り始めます。
お互いの携帯電話の番号を交換してグレンは部屋を去ります。
仕事に向かったラッセルは同僚との休憩中でも携帯を気にしながら上の空。
グレンから仕事の後に会おうというメールが届きます。
夜再開した2人はラッセルの家に向かいながらお互いのキャリアや過去について語り合います。
ラッセルは「自分が孤児で両親がいないので他のゲイのように家族にカミングアウトしが経験がないことを打ち明けます。
それが原因でラッセルは自分に自信を持てず周囲の目線を気にしてばかりいたのです。
ラッセルの家に戻った2人は再び抱き合います。
グレンは明日ノッティンガムを去りアメリカのオレゴンへアートの勉強のために移住をすることを告げました。

ラッセルは動揺します。もちろんグレンも同じでした。
グレンはその夜のお別れパーティにラッセルを招待して去ります。

パーティにやってきたラッセルはグレンのルームメイトのジルと出会います。
ジルや友人たちはグレンの渡米は成功しないと思っていることを聞きます。
友人たちに渡米を祝福されていないグレンの孤独を知ったラッセルはグレンとパーティを抜け出し、2人は遊園地に立ち寄り楽しいひとときを過ごしてからラッセルに向かいました。
ラッセルはなくならないLGBTQへの差別。差別がなくなったと楽観している他のゲイ達への失望で他者を信じることができなくなってしまっていたのです。
孤独な2人は情熱的な夜を共にします。

日曜日。
朝起きるとラッセルはグレンに通過儀礼としての両親へのカミングアウトを経験したことがないので自分には自身がないことを語ります。
それを聞いたグレンは「ぼくが母親になるからカミングアウトして」とラッセルのカミングアウトを受け入れます。
そのことでラッセルは自信を取り戻します。
グレンはノッティンガムを出発する時間を告げ、
友人の娘の誕生日パーティへ参加するラッセルを残して早々と去りました。

誕生日パーティに参加したラッセルはグレンのことが気になっています。
友人に初めて自身がゲイであることを告白しラッセルはグレンにもう一度会いたいんだと悩みを告白します。
それは絶対に会うべきだと友人はラッセルを駅まで車で送ってくれました。

ホームで再会し電車を待つラッセルとグレンは熱いキスを交わします。
ラッセルは今まで人前でキスを交わすことがありませんでした。
自信を取り戻したラッセルの姿がありました。
帰宅したラッセルはグレンが土曜日の朝に録音した自身の言葉を聴き返します。


孤独を抱えた2人の男の2日間の激しい恋物語です。
かなり激しいセックスシーンが続きますが二人が清潔感あふれるキャラクターだということとヘイ監督の淡々とした語り口調でいやらしさを感じさせません。

【Trivia & Topics】
*マイノリティーであるゲイ・カップルたちの相手に対する眼差しや言葉が優しく繊細さが浮き彫りにされています。

*ゲイたちが日常的にマリファナやコカインを吸い強い酒を飲む姿が印象的です。

*受賞歴
◯第32回ロンドン批評家協会賞
・ブレイクスルー英国映画作家賞受賞
◯第14回英国インディペンデント映画賞
・ニューカマー賞受賞

【5 star rating】
☆☆☆
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