さ

WEEKEND ウィークエンドのさのネタバレレビュー・内容・結末

WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この世にディスコミュニケーション映画が多すぎて、二人がちゃんと言葉で、会話をして、お互いや自分自身を理解しようとしていることの尊さを憶えてしまった

たった2日過ごしただけなのにこの世で一番の理解者になってしまう ひとの形をした柱であり、空虚でもある あなたがいたから夜を越せるが、あなたがいたから朝が恐ろしいのだ、という
ふたりだけの世界みたいなものに弱いんだ 他の人となら笑えないことで笑ってしまう関係
セックスのフィードバックをお寄せいただくシーン、ふざけてるようで割と大切だな されたくないこととか、なんでされたくないのかとか、恋人同士だと嫌とは言いにくいこともある
手持ちカメラの所在なさ、人間の呼吸と鼓動を感じるので好きです 優しい、内気、不安げ、無口というわけではないけれどお喋りでもなくて、いつも目を少しだけ細めて微笑んでいる、友達は多いけど誰にも言えないことがある たった一つ言えないだけで、誰にも心を開けていないような気がしている
ラッセルはクローズドのゲイで、バーで出会ったグレンはオープンリーのゲイ グレンは行動的でよく喋る、推しが強くて、馬鹿にされたら言い返す 付き合えば振り回される気もするけど魅力的 じっと目を見る、ラッセルはそらす でもラッセルがグレンを見る目はうっとりした目 惹かれてはいる、でもあなたのようにはなれない この世はつまらない人間が多いから
グレンのコミュニケーションがかなり真摯で好きです 話したいことを話せるまで話す 引き出す 自分も自分の気持ちを言語化できる ふたりはずっと喋っている ずっと誤魔化さないで馬鹿なことも苦い過去もセックスのことも話している 最中はすごく静かなのに安心感があるのは、言語のコミュニケーションがきちんとできているからかも
グレンは真摯で、だからこそ知り合ったばかりのラッセルに「2日後に発つ」と話した バーで引っ掛けた相手なんかそのまま二度と会わなくたって不思議じゃないのに 
さ