MasaichiYaguchi

マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.6
マリーゴールド・ホテルのあのゲストたちが久し振りに帰って来た。
インドで優雅にリゾート生活を満喫しようとイギリスからやって来た熟年男女7人の人生模様を描いた前作から、本作では様々な事情で5人となった彼らのその後を描いていく。
インドの文化や風俗、そこに住む人々のバイタリティーに感化され、夫々が人生を模索して一歩を踏み出した彼らだったが、本作では新たな局面を迎え、「右に行くか、左に行くか」ではないが、人生の選択を迫られる。
前作から続投のイヴリン役のジュディ・デンチ、ミュリエル役のマギー・スミス、ダグラス役のビル・ナイ等、長きに亘る俳優人生に裏打ちされた熟練の演技で展開される人間ドラマは、本作でもユーモアやペーソスを交えながら味わい深く伝わって来る。
そして本作では、新たなゲスト役としてリチャード・ギヤが加わったことにより華やかさが増した。
このベテランキャストとコントラストを成すように、「スラムドッグ$ミリオネア」のデヴ・パテルが、恋人スナイナとの結婚間近の若き支配人ソニーを躍動感一杯に演じている。
改装中のマリーゴールド・ホテルだが、ソニーや副支配人となったミュリエルが進めるホテル事業も新たな局面を迎えている。
このホテル事業の行方とゲストたちの人生の行方が恰もリンクするように、騒ぎやトラブルを起こしながらドラマチックに繰り広げられていく。
この作品の「今が最高の時」と思って、またはそうなるように異郷の地で頑張る彼らを見ているとファイトが湧き、人生に「定年」は無いのだと思えてきます。